文章・文体研究分野での接続表現研究の可能性を広げるために、コーパスを活用した探索的研究を行った。課題と成果は次の通りである。(1)『現代日本語書き言葉均衡コーパス』の形態論情報「接続詞」の解析精度の調査を行いその問題点と留意点を明らかにした。(2)文体と接続表現の使用に関する調査を行い次の3点を明らかにした。(a)学年別、教科別等の観点による教科書の接続詞の使用特徴、(b)接続詞の文体差の数値化及びその有用性、(c)助詞・助動詞で始まる複合接続表現の文体差の数値化及びそれらの文体的特徴。(3)複合接続表現の調査方法の問題点の検討を行い、文境界情報の利用の得失を明らかにした。
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