研究課題
基盤研究(C)
漢文に日本語の読みを加えた訓点資料については、明治時代以来多数の研究が行われて来たが、その主眼は平安時代のものと江戸時代のものであり、鎌倉時代のものについては漢籍や国書(日本書紀など)の研究はかなりのものがあったものの、仏典については研究が極めて乏しかった。本研究課題では、これらの鎌倉時代の仏典のうち、真言宗の僧侶によって記入された訓点の日本語を精査し、それが平安時代、具体的には11,12世紀の伝統を忠実に継承していることを明らかにした。
日本語学
本研究は従来十分行われていなかった鎌倉時代の漢訳仏典や日本撰述書に記入された訓点を検討することにより、これらの資料を日本語史の資料としてよりよく使用できる環境を整える意義があり、広く日本語の歴史的変遷に関する研究に資するものである。