本研究は、動詞ラレル形(「動詞+レル・ラレル、ル・ラル、ユ・ラユ」の形)を述語とする文(以下「ラレル文」)における諸用法の史的展開を、構文的特徴を中心に文献調査に基づいて明らかにすることを目指した。主な活動は次の2点である。1 中世の文献にもとづくラレル文の用例調査2 古代日本語・日本語文法・言語類型論の関連文献並びに注釈書の収集、また学会等への参加を通じて最新の知見の体得に努める。 活動1は、研究期間中補助員の適任者を確保できなかったうえ、研究機関中学内の役職に就いたため研究に時間を割くことが著しく困難となり、残念ながら未達成に終わった。活動2は、ほぼ所期の目的を達し得た。
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