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2016 年度 実施状況報告書

福井三型アクセントの調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K02722
研究機関金沢大学

研究代表者

新田 哲夫  金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (90172725)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード三型アクセント / N型アクセント
研究実績の概要

今年度はこれまでの調査結果の蓄積をふまえ、福井三型アクセント主要3地点(福井県あわら市北潟、坂井市三国町安島、越前町厨)のアクセント概要記述とそれぞれの共時的特性の対照を行い、「福井三型アクセントの共時的特性の対照」『音声研究』20(3), 81-94, 2016年12月(松倉昂平と共著)を著した。そこでは、上野善道 (1984, 2012) で取り上げられた、鹿児島方言の二型アクセントに典型的にみられるという4つの特性、①文節性、②系列化、③複合語の前部要素の式保存、④活用形アクセントの一貫性のうち、①③④を検討した。①文節性については、ほとんどの助詞がアクセント的に独立しない各方言ではおおむねが成り立つ、④と③については、本地方では基本的に成り立たないという結論を得た。また、この論文では、アクセント単位の拡張範囲について比較を行った。厨方言では形式名詞を含むほとんどの付属語がアクセント上独立しない上に、一部の動詞(アル)にまでアクセント単位の拡張が及び、一方、安島・北潟方言では複数文節単位への拡張は見られず形式名詞をはじめ、ある程度の数の付属語が独立性を保つという地域差があることがわかった。
また、実際の調査の面では、福井三型アクセントの分布域のうち、越前町厨のアクセントについては、体系、複合語、外来語等のアクセント調査を行った。従来、男性話者1名だった資料を補うために、女性話者に対して調査を実施し、ほぼ同様の体系であることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

調査語彙の不足が見られた。調査時間を増やす必要がある。

今後の研究の推進方策

平成29年以降は、調査語彙数も増やしてゆき、福井N型アクセント資料集(仮称)の刊行に向けて準備を進める。

次年度使用額が生じた理由

平成29年2月3月に現地調査に赴く機会に恵まれず、旅費の使用が進まなかったため。

次年度使用額の使用計画

5月、8月を中心に現地調査を赴き、データを収集に努める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] 福井三型アクセントの共時的特性の対照2016

    • 著者名/発表者名
      松倉昂平・新田哲夫
    • 雑誌名

      音声研究

      巻: 20-3 ページ: 81-94

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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