現代語に通ずる19Cの日本語の実態はまだ解明の余地がある。それは,これまでの研究成果から資する事柄はきわめて大きいのであるが,未調査の資料等も多数存在するためである。そこで,19Cの日本語研究資料からことばの常用性をはかり得ると考え,各々の共通部分を日本語の標準の指標ととらえ,外国人の日本語研究資料から日本語を逆照射し,19Cの標準日本語の再構築を試みた。俯瞰的に諸資料の相関関係を明らかにし,実証的に19Cの日本語の世界的規模での展開を解明することで,現代語への道程を導き出すことができるものと考える。
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