研究課題/領域番号 |
16K02738
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
岡崎 友子 東洋大学, 文学部, 教授 (10379216)
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研究分担者 |
小林 雄一郎 東洋大学, 社会学部, 助教 (00725666)
竹内 史郎 成城大学, 文芸学部, 准教授 (70455947)
堤 良一 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (80325068)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 日本語文法 / 歴史コーパス / 統計的研究 / 歴史的変化 / 指示詞 / 接続詞 / 形式語 |
研究実績の概要 |
初年度であり、本研究の基礎作りを目的とし、打ち合わせと研究会を開催した。詳細は以下の通り。①国立国語研究所の日本語歴史コーパスを利用し、本研究を進めるため、国立国語研究所共同プロジェクト・機関拠点型基幹研究プロジェクト「通時コーパスの構築と日本語史研究の新展開」(小木曽智信)と共催で合同研究会をおこなった。そこで、研究分担者である小林雄一郎氏による発表「言語研究における統計の活用」があった(2016年6月25日、会場:東洋大学)。②研究代表者・分担者全員で、研究打ち合わせと研究会を開催した。打ち合わせの内容に関しては、本年度と平成29年度以降の研究の方向性について話し合った。研究発表会の内容については、小林雄一郎・岡﨑友子「中古作品における接続表現の統計的分析」、岡﨑友子「「頃」の歴史的考察」である。発表後、研究代表者・分担者全員で論について議論をおこなった。 また、共著論文執筆のために、分担者である堤良一氏と2度打ち合わせ(場所:岡山大学・東洋大学)をおこなった。 本年度はさらに、小林雄一郎・岡﨑友子の共同発表を修正・加筆し論文を執筆、研究雑誌に投稿し査読の結果、採択となった。(論文題目「中古における接続表現の統計的分析―指示詞を構成要素としたものを中心に‐」国立国語研究所論集』第13号に掲載、2017年7月刊行予定である) 本年度のその他の成果として、日本語歴史コーパス及び現代書き言葉均衡コーパスを用い、指示詞・接続詞・形式語(複合辞)のデータを収集が進んでいる。これらのデータを利用し、平成29年度以降、学会発表、論文化する予定である。このことにより、これまでの研究手法では分からなかった古代語の文法現象を客観的に明らかにできると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
打ち合わせ及び研究発表は年4回おこない、また平成28年度の研究実施計画であった指示詞・接続詞・形式語(複合辞)のデータ収集も予定通り、順調に進んでいる。 また、研究成果である論文も1本が採択(査読有り、共著論文:小林雄一郎・岡﨑友子)され、もう1本(共著論文:堤良一・岡﨑友子)が現在、議論の途中であるが、かなり形になってきている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度(平成28年度)は主に国内の研究会で研究発表をおこなってきた。今後の目標としては、さらに内容を精査するために、より大きな研究会・学会のパネルディスカッション・チュートリアルで研究の公開をおこない、他の研究者の意見を多く求めたい。さらに、データに関しても、現在は中古(平安時代)と現代語を中心としているが、日本語歴史コーパスが平成29年4月鎌倉時代が充実したこともあり、中世の調査を本格化させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
分担者である竹内史郎氏(成城大学)が本務校にて研修を行ったことにより、旅費等の経費がほとんどその研修費で捻出することができることとなった。余分に出張を行うよりも、しっかり計画を立て次年度に使用する方がよいと判断したため。
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次年度使用額の使用計画 |
日本語の多様性の中でより相対的に、古代日本語や現代標準語の文法を記述するという意味で、方言のデータを収集するために使用する。宮城県登米市及び福岡県福岡市を中心にフィールドワークを行う予定である。
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