雑誌『キネマ旬報』(復刻版)を5年分、さらに雑誌『世界』を約36年分スキャンしてOCR化したことで、昭和期の日本語の簡易コーパスを作成することができた。また、「なので」が接続詞化した現象について、その変化のプロセスが5段階に分けられること、発話調整機能を高めるという語用論的動機があったこと、逆接の「なのに」に比して「引っ張り効果」が乏しかったために、「なのに」よりも接続詞化が遅れたことなどを明らかにした。さらに、「案外」と「意外」の副詞的用法については、「意外と」よりも「案外と」の方が早く出現していたこと、「意外と」が「案外と」からの類推によって生まれた可能性が高いことなどを明らかにした。
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