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2018 年度 実施状況報告書

発話機能に相応しい韻律 ―「機能別・韻律の指標」の作成―

研究課題

研究課題/領域番号 16K02747
研究機関愛知大学

研究代表者

高村 めぐみ  愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (10551111)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード機能 / 韻律 / 大学場面 / 音声指導 / 日本語学習者
研究実績の概要

平成30年度は、研究実施計画に基づき、以下の二つを中心に、研究を行った。
第一に、平成29年度に行った180資料の音響解析の結果を使って、機能ごとに見られる韻律的な特徴を探った。その結果、20機能中13機能(1. 挨拶(目上)、2. 食事の前のことば、3. 驚き、4. 許可求め、5. お悔み、6. 同情、7. 指示、8. 申し出、9. 呼びかけ、10. 感謝、11. 断り、12. 謝罪(目上)、13.謝罪(友達))に韻律的特徴が見られた。さらに、平成29年度の前半にパイロット的に行った76資料の音響解析の結果と合わせて、機能別の韻律的特徴を探った。その結果、上記13機能の韻律的特徴との間に齟齬はないことが明らかになった。
第二に、平成29度、音響解析を行った音節単位でのF0、持続時間長、音圧の数値(計180発話、1発話あたり約10音節から成る資料)を使い、各機能の特徴を探った。その結果、音節単位で韻律的特徴を探るよりも、より大きな単位である「発話節」(ポーズからポーズまでの単位)で分析、考察をしたほうが、機能ごとの韻律的特徴がより明確に提示できることが分かった。また、中立発話では基本的には常に保たれるアクセント(F0の変化)が、機能を含む発話では保たれない例があるということが分かった。これは、機能を含む発話では、たとえ東京方言で発話をしていても、共通語アクセントを凌駕して、イントネーションが新しく発生することがあることを示唆したものであると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初予定していた初級学習者の確保が、所属機関の変更により困難になってしまい、学習者への音声指導を実施することができなかった。

今後の研究の推進方策

現在、初級学習者を2名確保できたため、今後は日本語学習者に対して「機能別・韻律の指標」を用いた音声指導を行う。そして、指導前後の資料を聴覚印象による評価、および音響解析を行って、比較検討する。このことにより、当初の予定通り、ケーススタディとして指導の効果を示すことができるものと考える。その後、今までの結果を踏まえて、「機能別・韻律の指標」を再検討し、完成版を作成する。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた調査協力者の確保が困難となり、調査に充てる費用を支出できなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] コミュニケーションに必要な音声とは何か―機能に相応しい韻律指導を目指して―2018

    • 著者名/発表者名
      高村めぐみ
    • 学会等名
      日本語教育学会秋季大会口頭発表
  • [学会発表] 日常会話で必要とされる「音声」とは2018

    • 著者名/発表者名
      高村めぐみ
    • 学会等名
      第10回実験言語学研究会

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公開日: 2019-12-27  

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