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2017 年度 実施状況報告書

テクスト・セティングの観点から探る英語の好韻律性について

研究課題

研究課題/領域番号 16K02763
研究機関三重大学

研究代表者

服部 範子  三重大学, 人文学部, 教授 (00198764)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード英語 / 音声学 / 強勢 / リズム / 韻律
研究実績の概要

本年度は、リズム・メトリックスの一つであるnPVI(標準化配列間変動指数)を用いて話し言葉をベースにしたリズム類型論が歌の翻訳というプロセスを経ても維持されるかどうかの検討を通じて、テクスト・セティングとのインターフェイスにおいて観察されるリズム特性を明らかにすることを目指した。Hayes がまとめた英語の音節配置アルゴリズムは、英語の特徴として、強勢のある音節は強勢のない音節より一般的に長く発音されることを示しているが、歌でもその傾向が引き継がれると言える。ここにnPVIと音節配置アルゴリズムの相互作用を見ることができ、本研究はこの相互作用に注目して分析を進めた。
音楽史上ナショナリズムと呼ばれる時期に限定すれば強勢拍言語と音節拍言語という異なる言語リズムが器楽音楽に反映されているとする先行研究の手法に基づき、1949年から1964年までに英語から日本語に翻訳された歌を資料とし、nPVIを算出し日英語で比較した結果、発話におけるnPVIは強勢拍言語の英語のほうがモーラ拍言語の日本語より数値が高いという関係は、基本的に歌の翻訳においても維持されていることを明らかにした。また、例外となるケースについて個々に検討し、翻訳の過程で音符を伸ばし、その結果、休符が短くなりnPVIスコアに影響を与えたケースや、翻訳の過程で四分音符と八分音符の配列に変化が生じ、結果的にnPVIスコアに影響が及んだケースなど、原因と理由を明らかにすることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

データ分析については予定通りの進捗状況であったが、類型論に関する最新の文献に幅広くあたることについては、学部の管理・運営に関わる仕事が多く、当初予定していたエフォート率で研究に従事することが難しかった。

今後の研究の推進方策

今後は時間を工面してリズム類型論に関する最新の文献を読み、平行してデータ分析にあたる。国際学会での発表受理が届いたところであるので、そこでのフィードバックを基にチャンツなど定型以外の歌におけるテクスト・セティングに関してさらに考察を深める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] ‘Englishness’ of rhythm measured by the nPVI and the Syllabic Distribution Algorithm2017

    • 著者名/発表者名
      Noriko Hattori
    • 学会等名
      Biennial International Conference on the Linguistics of Contemporary English
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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