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2018 年度 実施状況報告書

テクスト・セティングの観点から探る英語の好韻律性について

研究課題

研究課題/領域番号 16K02763
研究機関三重大学

研究代表者

服部 範子  三重大学, 人文学部, 教授 (00198764)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード英語 / 音声学 / 強勢 / リズム
研究実績の概要

本年度は、英語の好韻律性を探る一つの手段として、先行研究に基づき、発話における母音の長さの変動を示すnPVI(標準化配列間変動指数)を用いて、現代英語の歌から日本語への翻訳という過程においても「英語オリジナルのnPVIは日本語訳のnPVIと同等あるいは同等以上」が成り立つという仮説を実証するために、昨年度学会で発表した際のフィードバックをもとに研究内容にさらに磨きをかけた。
発話における母音のnPVIスコアはリズム類型論的に異なる英語と日本語の間で有意差があることが先行研究で明らかにされている。一方、nPVIを用いて言語と音楽のインターフェイスを扱った別の先行研究も参考にして、音符への歌詞の割り当てを英語と日本語の例で調べ、日英語でスコアに差が出る場合は該当箇所に詳細な検討を加えた。具体的には、音韻論におけるテクスト・セティング(韻律格子と音節のマッピング)の概念を導入し、英語については先行研究で提案されている音節配置アルゴリズムの適用有無をまず調べ、オリジナルの音符の配列が翻訳の過程で変更されるケースについては個別にその理由を探った。
本研究ではnPVIスコアを比較のための数値として用いたが、付随的に算出された平均値は、全てにおいて英語の数値は日本語のそれと同じかそれ以上を示し、これは音価の小さい音符が英語で多用されていることを意味する。歌詞における機能語の多用と小さい音価は関連づけられるので、比較のためのリズム・メトリックスとして今後は平均値も併用する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

一定の量のデータを分析し、国際学会で発表してフィードバックを受けることができる状況に達することができた。

今後の研究の推進方策

これまでの研究成果の一端を国際学会で発表し、発表後のフィードバックをもとに研究をさらに深める。また日本語でまとめて書籍として来年刊行予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] ‘Englishness’ of rhythm: comparison of the nPVI values between English songs and their counterparts in Japanese.2018

    • 著者名/発表者名
      Noriko Hattori
    • 雑誌名

      Proceedings of the 9th International Conference on Speech Prosody.

      巻: 9 ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ‘Englishness’ of rhythm: comparison of the nPVI values between English songs and their counterparts in Japanese.2018

    • 著者名/発表者名
      Noriko Hattori
    • 学会等名
      Speech Prosody 2018
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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