研究実績の概要 |
英語には、4種類の複数動詞連鎖 (V-to-V, V-V, V-and-V, V-Ving)がある。本研究課題の目的は、直示動詞 comeとgoが第1動詞に生起する「単文を形成する複数動詞連鎖」の性質を、統語、意味、機能、そして歴史的変化における観点から総合的に考察することにより、「単文を形成する複数動詞連鎖」を新しく体系化することである。 本研究課題の7年目にあたる2022年度は、2016年度から2021年度までに行った「研究目的を達成するための基盤となる研究」を引き続き行った。その基盤となる研究は、4種類の個々の複数動詞連鎖に対して、複数のコーパスから得られたデータの分析と考察である。具体的には、「第1動詞の屈折」、「第2動詞に生起する動詞」、「ジャンル別頻度」、そして「20世紀以降の頻度の変化」についてのデータの分析と考察である。 2022年4月に所属機関を移籍したために、新しい所属機関で研究体制を整えるための時間が必要となり、例年並みの研究時間の確保が非常に難しい状況であった。そのような状況ではあったが、2022年度は最終年度にあたるため、これまでの研究成果を踏まえて、通連鎖的に4つの個々の複数動詞連鎖の特徴の位置づけを行った。そして、本研究課題の目的である「単文を形成する複数動詞連鎖」を新しく体系化を試みたが、研究時間不足のため、体系化ついては、半分程度が完成していると言わざるをえない。しかしながら、2023年度に新しい科研費が採択されており、近い将来に体系化を完成させることは可能である。 論文については、研究時間不足のため、発表することはできなった。また、国際学会発表についても、新型コロナウィルス感染症の影響で、海外渡航が難しい状況がまだ続いているため、発表することはできなかった。
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