令和元年度(2019.4.1~2020.3.31)に予定していた2つの国際会議のうち、1つ目は2019年6月に、第40回近代・中世英語の国際コンピューターアーカイブ会議 (ヌシャテル大学、スイス)で口頭発表した。2つ目は、2020年2月に第19回国際形態論学会(IMM19、於ウィーン経済大学、オーストリア)において、アメリカ英語で否定辞縮約形doesn’tの確立が遅かった理由という題目で発表を目論んだが、許可されたのはポスター発表としてであった。これ自体厳しい審査に通っており大変名誉なことであり、コロナ大流行前なので渡欧できないことはなかったが、過去21回と同様に口頭発表を行いたいという思いが強いため、補助事業期間を1年延長し執行残をそのまま移管し、追加の国際会議口頭発表のチャンスを窺った。(今執筆している研究実績の概要は、まさにその報告となるべきはずだった。) しかし、延長が認められた4月早々、8月末開催のヨーロッパ言語学会 (SLE2020、於ブカレスト大学、ルーマニア)から、IMM19とは異なる発表題目「one and twentiethからtwenty-firstへの序数詞の歴史的変化について」に対し口頭発表許可通知が届いたものの、土壇場で、対面式でなくウェブ学会になったため、当時不慣れだった私は発表を辞退せざるを得なくなった。 以上のように、科研費補助事業期間を延長したことは結局のところ国際会議発表をもう一つ行うという本来の目的を果たすことに結びつかなかったが、16K02773の5年に亘る事業で行った研究の詰めを行えたという点で意義ある1年であった。この事業ではすでに著書(単著)1点、著書(共著)2点、5回の国際会議口頭発表を公にしているため、補助事業期間延長を再度願い出ることはせず、新たに採択された20K00682の複数年事業のほうに全精力を傾けることにした。
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