現代英語の tough 節においては、一般に、be 動詞に導かれる受動構文が現れることができないとされるが、getあるいはbecomeに導かれる受動構文になると容認性が向上する。また、現代英語では許されない be 動詞に導かれる受動構文が、1400 年代前後を中心に tough 節において可能であったということも観察されている。これらの事実は、受動構文における be の統語的位置付けが、本動詞から助動詞へと通時的に変化したと考えることによって、tough 節において助動詞が生起し得るような機能範疇が発達しなかったという本研究の分析と符合する。
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