研究実績の概要 |
本研究は以下の二つを目的としている。(1)非能格動詞を伴う同族目的語構文と結果構文の事例を電子化された言語データなどを用いて収集し、動詞ごとの使用頻度調査と文型パターンの分類を行い、基礎データを構築すること。(2)この基礎データと他動詞の目的語の統語的特徴((i) 受身の主語になれること、(ii) 代名詞になれること、(iii)what did you see のようなwh 疑問文化が可能であること、(iv)wh 島の制約に違反できる可能性があることなど)を照合し、非能格動詞がこの統語的特徴をどれくらい持っているかについて調査し、非能格動詞ごとの他動詞化の度合いを明らかにすること。 平成28年度(初年度)は、まず、非能格動詞を伴う同族目的語構文をBritish National Corpus (BNC)、Corpus of Contemporary American English (COCA)、Corpus of Historical American English (COHA)などの電子化された言語資料を検索し、事例を収集した。次に、言語学関係のMacfarland, Talke (1995)、Tenny, Carol L. (1994)、Travis, Lisa D. (2012)、Zubizarreta, Maria-Luisa (1987)などの著書を精読し、事例を収集した。さらに、Jones, Michael Allen (1988)、Massam, Diane (1990)などの論文を読み、事例を収集した。 その後、これらの事例を動詞ごとに使用頻度を調査し、文型パターンを分類した。これによって同族目的語構文の基礎データが概ね完成したので、初年度の目標はほぼ達成したと考えられる。この結果は最終年度の分析に活かされるので、その意義は大きい思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、非能格動詞を伴う結果構文をBritish National Corpus(BNC)、Corpus of Contemporary American English (COCA)、Corpus of Historical American English(COHA)、TIME Magazine Corpus、Strathy Corpus (Canada)、Hansard Corpus (イギリスの議会) などの電子化された言語資料を検索し、事例を収集する予定である。 次に、言語学関係の著書・論文、例えば、Boas, Hans C. (2003)、Bowers, John (1997) 、Carrier, Jill and Janet H. Randall (1992) 、“Fong, Sandiway, Christiane Fellbaum, and David Lebeaux (2001) 、Goldberg, Adele (1995) 、Hoekstra, Teun (1988)、Levin, Beth and Malka Rappaport Hovav (1995) 、Rappaport Hovav, Malka and Beth Levin (2001) 、Rothstein, Susan (1985) などを精読し、事例を収集する予定である。 その後、動詞ごとに使用頻度を調査し、文型パターンを分類する。
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