研究課題
本研究の目的は、目(eyes)、手 (hand)、顔 (face)、頭 (head)、足 (foot)、脚 (leg)、腕 (arm)などの身体に関する表現や、表情、仕草、行動など身体の動きの描写が、どのような文学的な意味や役割があるのかを考察し、作家や時代によって、どのような類似点と相違点があるかを通時的な視点から研究し、英語表現史としての身体表現の本質と時代的な変化を探ることである。特に、14世紀から19世紀までの英米文学上の主要な作家である、Chaucer、Shakespeare、Austen、Dickensなど、さらにはアメリカ文学を専門とする研究者による協働研究として、文学作品の読みを中心に据えながら、用例の収集や分析にはコンピュータを活用している。平成30年度は、研究代表者・研究分担者・研究協力者それぞれが担当する文学者や作品を決めて、「目と視線」の描写と「身体の動き(とくに、手の動き)」に注目して、用例を収集するとともに、英米文学作品の身体表現に焦点を当てた歴史的文体研究に関する研究事例をまとめ、平成30年10月、英文による論文集(A Chronological and Comparative Study of Body Language in English and American Literature、開拓社)を出版した。この論文集は英語史研究会の「英語史研究シリーズ」の第8巻目として刊行されたものである。研究会等に関しては、平成30年8月,上掲書の編著者(研究代表者(高口),研究分担者(堀),研究協力者(池田))が集まり,上掲書の最終的な編集作業を行った。また,平成31年2月には,本研究課題に関わる全メンバーが集まり,この3年間の研究活動の総括を行うとともに,英米文学作品における包括的で通時的な身体表現の研究を維持・発展させることを確認した。
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英語英文学 (熊本大学英文学会)
巻: 61・62合併号 ページ: 87-105