研究課題/領域番号 |
16K02821
|
研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
山下 早代子 実践女子大学, 人間社会学部, 教授 (90220334)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 日本語教育 / 第二言語習得理論 / 日本語文法 / 外国語教授法 / Web / SLA / Japanese Grammar / JSL |
研究実績の概要 |
研究の目的:①海外の最新の第二言語習得理論研究とそれを取り入れた教室活動を調査し、検証する。②SLAの知見を取り入れた日本語学習者のための日本語文法習得研究を調査し、扱われている文法項目と指導方法を検証する。実際に日本語授業でいくつかの文法指導法を実証的に試す。③上記の①②の調査研究成果をワークショップ、学会等で公開し、広く研究者と知見を共有する。④第二言語習得理論と教授法研究を反映した「日本語教師のための効果的な文法指導法例」をまとめ、国内・海外の日本語教育関係者に公開、ネット配信する。このうち①は研究途上、②は文法項目と指導方法を検証した上で、ワークショップ等で実験した。③は英国で現地日本語教育関係者(初等・中等日本語教育担当者含む)を対象にワークショップを実施し、フィードバックを得た。④については、Webを構築中で、一部見ることができるようになっている(https://teachingjapanesegrammar.com/) 特に初年度である平成28年度は、1)SLA理論がどのように外国語教育に影響を及ぼしているかを研究協力者であるSLA理論専門家のBenati 教授(英国グリニッジ大学)とともに検証した。なお、この研究成果は、英国のPalgrave Macmillan社より書籍としてまとめ、出版された。Benati, A., & Yamashita, S. (2016). Theory, Research and Pedagogy in Learning and Teaching Japanese Grammar . 2)日本語教育におけるSLA理論を取り入れた文法教授法関連の実証的研究を調査した(宇佐美、2013; 小柳、1998等)。 3)英国ロンドン大学、グリニッジ大学にて関係者と意見交換を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度である平成28年度の実施計画5つのうち、ほとんどを実施したので、おおむね順調に進展していると言える。特に、1)先行研究-SLA理論がどのように外国語教育に影響を及ぼしているかを検証し、その研究成果を、英国のPalgrave Macmillan社より書籍としてまとめ、出版した。Benati, A., & Yamashita, S. (2016). Theory, Research and Pedagogy in Learning and Teaching Japanese Grammar . 2)日本語教育におけるSLA理論を取り入れた文法教授法関連の先行研究を調査し、研究による知見の日本語教育への応用の可能性をある程度明らかにすることができた。 3)海外の動向を探る情報収集のため、英国(英国ロンドン大学、グリニッジ大学)にて関係者と意見交換を行いある程度の成果を上げた。
|
今後の研究の推進方策 |
二年目となる平成29年度は、 1)日本語学習者を対象にSLA理論を反映させた教授法による文法指導を実験的に英国ロンドン大学と日本で実施する。その成果をもとに指導法案を作成し、英国・日本でワークショップを通して公開し、知見を共有する。 2)関係学会に参加し、知見を共有する。また、初年度(27年度)着手したWebシステム https://teachingjapanesegrammar.com/ の更なる充実を図る。 また、研究協力者Benati教授を東京に招聘し、研究内容に関する会議、ワークショップの実施、またWeb発信のための企画会議を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた学会参加旅費が生じなかったこと。英国で実施したワークショップの企画運営にかかわる旅費が別の組織(SASAKAWA財団)からの支援を得て処理できたことなどが主な理由となっている。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度以降、作成済みのWebの管理・維持費、修正にかかる費用などが発生する見込み。 また、分担者が新たに二人加わるため、研究にかかる追加費用が若干多くかかることになる予定。
|
備考 |
Japanese Grammar World https://teachingjapanesegrammar.com/
|