研究課題/領域番号 |
16K02838
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
RUCYNSKI John 岡山大学, 全学教育・学生支援機構, 准教授 (10512741)
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研究分担者 |
Prichard Caleb 岡山大学, 全学教育・学生支援機構, 准教授 (10440306)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | humor competency / satire / satirical news / culture and humor / media literacy / digital literacy |
研究実績の概要 |
平成29年度は、次の方法により研究を続け結果を広めることを重点的に取り組んだ。①平成28年度に実施した研究のデータ結果の分析と公開, ②試験的トレーニングの実施, ③国内学会および国際学会における研究発表 ①について, 1年目の研究では、日本人学生が英語の風刺ニュースを理解して、その結果、英語の読解能力、およびグローバル世代にとって重要な21世紀スキルであるメディアリテラシー・デジタルリテラシーを向上させることに重点的に取り組んだ. この研究をまとめた記事はTESOL JOURNALに受け入れられ、2017年の3月に発表された。この記事は、日本人学生が英語の風刺ニュースをよく認識し理解出来るよう我々が行ったユーモアトレーニングについてふれている。 ②について, 2年目の研究では、英語の皮肉に重点を移した。これは、研究代表者の先行研究に基づき、英語のユーモア、英語でのコミュニケーションにおいて 日本人学生が特に苦戦をするもうひとつの側面だからである。約70人の大学2年生に事前および事後テストを実施した。このテストの間にユーモアトレーニングを行った。テストの目的は、日本人の学生が英語を母国語とするスピーカーとの会話の中で どの程度効果的に誠意と皮肉とを認識出来るか分析するためである。テストの中間結果を分析する一方で、このテストを試験的テストとして扱い、次年度はテストとユーモアトレーニングを特に改善していく。 ③について, 引き続き国際学会で研究発表を行った。平成29年度の主な共同国際発表会は、7月にインドネシアで行われたAsia TEFL International Conference、10月にクロアチアで行われた Association for Teacher Education in Europe Annual Conferenceである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の研究は、次の理由より非常にスムーズに進んだと考える。①国際的にも幅広い読者層を持ち英語学習分野において著名なジャーナルであるTESOL JOURNALにより特集記事を発表した。さらに、この記事は英語学習において革新的な研究分野とされるユーモアトレーニングに焦点をおいている。②引き続き評判の高い国際学会に受け入れられ発表を行った。平成29年度は、インドネシアのAsia TEFL、クロアチアのATEEで共同発表を行った。2年間にわたり、日本を含む異なる国々の様々な会議で研究発表を行った。③研究代表者はInternational Journal of Human Researchで発表された英語授業における日本人学生のユーモアのとらえ方についての記事も共同執筆した。④研究代表者TESOL International Organizationから誘いを受けて、英語学習におけるユーモアについてのオンラインセミナーを実施した。世界各国より150人以上の教師や研究者が申し込んだ。全体的に見て、英語教育がスムーズに進む中でユーモアトレーニングに関する革新的な研究を継続してきたことに加え、我々の研究を広く発表、公開することで国際的読者に広めることが出来たことに満足をしている。英語教育研究の革新的な分野の教師や研究者のグローバルネットワークを構築し続ける努力をする。
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今後の研究の推進方策 |
次の計画に従って引き続き研究を行い広めていく。①引き続き英語コースで、日本人学生に向けたユーモア・コンピテンシー・トレーニングの開発、テスト、および分析を行う。すでに英語の風刺ニュースの見極めについての記事を発表したので、今後は英語での異文化コミュニケーションにおいて重要な側面である皮肉を理解するためのトレーニングに重点を置く。約70~100人の学生に向けトレーニングを実施する。研究結果の読者をより幅広い教師向けにするため、重点に置く対象を帰国子女から英語を一般教育として学ぶ学生にシフトすることに決めた。②(皮肉の見極めに焦点をあてた)ユーモア・コンピテンシー・トレーニングについての記事を国内外の雑誌に提出する。③研究を国内学会および国際学会で発表し広める。東京で行われるFifth Annual Conference on Higher Education での共同発表会がすでに受け入れられた。研究代表者は、南アフリカで行われる20th International Conference of Linguists in South Africa で発表を行う。また研究代表者は、米国で行われるACTFL, およびTESOL学会への提案書に対する結果を待っている。④引き続き外国語教育において、ユーモア・コンピテンシー・トレーニングの革新的な分野における教師や研究者のグローバルネットワークを構築する。今もなおこのテーマについての共著者情報の提案書提出を希望しているが、我々の研究だけでなく、協力頂いた教師や研究員による研究を監督するためより長い時間を要するだろう。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由): 繰越が生じた理由は、下記の通りである. 2017年に購入した新しいノート型パソコンが、予想よりも安かったからである。このため、繰越が発生した。また、最新版のMicrosoft Word を購入するつもりだったが、大学より無料でアクセス可能だと通達があった。さらに、2018年のメインとなる国際学会International Congress of Linguists, Cape Town, South Africa)への参加費用が平均の参加費よりも高額だったからである。国際学会の多くの参加費用は2万~3万円だが、この学会は特に高額で5万円だった。開催は5年に1度だけの名声の高い学会であるため、発表に最適だと判断した。我々はまた研究をグローバルに提供する努力をしている。アフリカは研究発表の新しい地域であった。そこで、研究の最後の年に追加で発生する費用をカバーするために予算の一部を繰り越した。 (使用計画): 国際学会に参加するために、また、グローバルネットワークを構築するために資金を使用する必要がある。国際学会への参加費用や航空運賃の値段が上がったため、助成金の最後の年はコストが予想よりも少し高くなる。5年毎に開かれる我々の分野で重要な学会であるという理由から、最後の年にInternational Congress of Linguistsで発表することを決めた。残った資金は、このテーマに関する研究の継続に必要な研究材料(本等)や事務用品に使用する。
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