研究課題/領域番号 |
16K02843
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
折田 充 熊本大学, 文学部, 教授 (60270386)
|
研究分担者 |
相澤 一美 東京電機大学, 工学部, 教授 (00222448)
神本 忠光 熊本学園大学, 外国語学部, 教授 (20152861)
吉井 誠 熊本県立大学, 文学部, 教授 (70240231)
R・S Lavin 熊本県立大学, 文学部, 教授 (70347699)
村里 泰昭 熊本大学, 教育学部, 講師 (90229980)
小林 景 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (90465922)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 語彙 / メンタルレキシコン / 再構築・変容 / ICT |
研究実績の概要 |
私たちは、パソコンで取り組める、日本人大学生のための単語の復習・強化から始める、心内辞書の強化・構造化のためのオンライン教材「動詞」版 Word Cluster Master Program (WCMP) を、本プロジェクトに先行する科研費によるプロジェクトにおいて開発した。その実証研究から、「動詞」版WCMP の効果と教育的意義を確認できた。本研究では、「動詞」に続いて「名詞」及び「形容詞」についても、WCMP 開発に取り組むことを目的とする。そこでは、スマートフォンやタブレット端末という、現在ほとんどの大学生が持つスマートデバイスでも取り組めるものにする。 1年目にあたる平成28年度は、まず「名詞」版WCMP開発で採り上げる名詞を決定することとした。WordNet(プリンストン大学)から英語母語話者の心内辞書内の英語「名詞」群の構造の特徴を踏まえて、また「新JACET8000」(大学英語教育学会基本語改訂特別委員会)などを参照しながら、日本人大学生にとって重要度の高い名詞(コア語とクラスター語、合計288語)を選んだ。そして、「名詞」WCMP全12ユニットのうち、前半の6ユニットの学習メニューのためのスクリプトを作成した。学習メニューの構成は次の通り。「提示」(動画:①コア語とクラスター語の関係把握、②目標語を使った英文ペアの確認)→「自己診断」(関連する意味の単語を選ぶ)→「学習」(意味を確認する、タイプ入力するなど4つ)→「強化」(意味の上で関連する語群に分ける)。引き続いて、これらの「名詞」スクリプトについて、デジタル教材化への取り組みを開始した(平成29年度5月完成予定)。 関連して、「動詞」12ユニット版WCMPの実証研究を実施した。そして、その解析結果を29年度に発表する。28年度はまた、「動詞」版WCMPについて、2つの学会発表を行い、2つの共著論文を執筆した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、1.心内辞書内の英語「名詞」群の構造の特徴を踏まえて、日本人大学生にとって重要度の高い名詞(コア語とクラスター語、合計288語)を決定すること(開発で採り上げる名詞の決定)、2.7つのメニューから成る半期用12ユニット分のコンテンツを作成すること(「名詞」WCMP教材開発)、3.開発した「名詞」WCMP教材の学習サイトを、パソコン、スマートフォン、タブレットで取り組める仕様でウェブ上に構築すること(「名詞」学習サイトの構築・オンライン化)、4.「名詞」WCMP教材の学習効果について実証研究を行うこと(「名詞」教材の学習効果検証)を計画した。本年度、デジタル教材で取り上げる名詞群の決定、6ユニット分のスクリプトの作成および3ユニット分のデジタル教材化を終了した。残りのスクリプトの教材化と学習サイトの構築・オンライン化、6ユニット版での実証研究、および後半の6ユニットの教材化は2年目に予定している。これらのことから、本プロジェクトの推進は当初計画よりもやや遅れていると判断する。
|
今後の研究の推進方策 |
初年度に予定していた「名詞」WCMP 実証研究のうち、教材開発が終了した6ユニットについて、平成29年度(2年目)前半に実証研究を行う。平成29年度は「名詞」の残りユニットの完成、「形容詞」WCMPの前半の6ニットのスクリプトおよび音声録音まで終了する。「形容詞」WCMPの残りの6ユニットは、平成30年度(最終年度)に完成することとする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
開発中のオンライン学習プログラムのデジタル教材化が、その前提となるスクリプト作成に当初計画よりも時間を要したことから、初年度に計画したところまで終了せず、そのための人件費・謝金、またプログラム完成・オンライン上への構築後の試行用情報端末の購入費を執行できなかった。
|
次年度使用額の使用計画 |
プロジェクト2年目(平成29年度)以降、スクリプト作成・デジタル教材化について開発計画を修正し、計画的に使用する。
|