研究課題/領域番号 |
16K02844
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
山本 佳代 宮崎大学, 語学教育センター, 准教授 (70438323)
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研究分担者 |
荒木 瑞夫 宮崎大学, 語学教育センター, 准教授 (20324220)
坂本 信介 宮崎大学, 農学部, 講師 (80611368)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ESP / 農学分野 / コーパス / popularization / semi-popularization |
研究実績の概要 |
社会の多様化が進む昨今、大学のカリキュラムも変化し続けており、学際的な学部の設立が多く見られる。本研究では、多様な専門性を含む農学分野の学部学生に必要なEnglish for Specific Purposes (ESP)の教育カリキュラムモデル構築につながる基礎データの分析を目指している。2016年度は、(1) ニーズ分析として所属大学の農学部専門教員、学部学生、院生、卒業生へのインタヴュー、農学分野の英語関連情報の収集と分析、学部学生の英語関連実態調査を実施し、(2) 農学部専門教員1名に新たに共同研究者に入って頂き専門的見地からのアドバイスを得、(3) 語彙分析のためのコーパス構築を主に行った。(1) については、農学分野における英語使用状況把握のため、国内外の学会での情報収集、学内における6学科の専門分野の学習・研究分野の調査、海外研修の英語使用状況の調査、1年次における英語力の調査、資格試験実態調査も併せて行い、学部学生が必要とする語彙の種類・カテゴリーを検証した。(2)については、動物行動学を専門とする農学部教員が共同研究者として加わった。(3)については、農学分野学術専門語彙と一般英語の狭間に位置するpopularization, semi-popularizationの2つのカテゴリーを設定し、記事の採取を行い、これらの言語資料を所属大学農学部の6学科(獣医学科含む)と13の専門基礎科目項目に分類した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に従い、学部学生が必要とする語彙のカテゴリーを検証した後、popularization, semi-popularizationの記事収集を行い、2種のコーパスの構築を行った。
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今後の研究の推進方策 |
収集した言語資料の語彙分析・レトリック分析を行う。具体的には、 (1)異なる下位分野(所属大学の6学科に基づく下位分野)での語彙リストの異同を観察し記述を行う (2) popularizationとsemi-popularizationの概念を整理し、実際の英語授業での使用を視野に入れた「農学部共通語彙リスト」と「学科別語彙リスト」を作成する。 (3)統計的分析手順は研究過程で洗練させる必要があるため、中間報告やコーパス関連学会にて発表を行い、助言を頂く。 コーパス分析については、農学分野の学際性を鑑み、次年度もコーパスの規模を拡大させるための言語資料の収集を継続させる。「学科別」抽出語彙リストは、農学部専門教員の協力を頂き、学科(分野)特有の意味を持つ語や同じスペルにも拘わらず一般語とは異なる意味を持つ語についても言及する。また語彙学習過程に配慮した一般語彙リスト(JACET8000)を参照し、一般語彙と専門語彙をつなぐpopularizationとsemi-popularization語彙の抽出の参考とする。さらに、コンコーダンスで用例を観察し、語法レベルでの特徴を可能な限り洗い出す。
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次年度使用額が生じた理由 |
コーパス作成のためのデータ収集の過程で再検討の必要性が生じ、その間、データ収集作業人件費を使用しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
コーパス作成用データ収集の一部を継続させるための人件費に使用する計画である。
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