研究実績の概要 |
本研究の目的はthe inner self(自己内面性)に目を向け、spirituality(価値観、信念、信条)によるself-determination (SD)(自己決定)が英語学習の自律化に寄与するメカニズムを明らかにし、学習動機づけ―学習自律化への新たな理論構築にある。 1年目の理論構築作業を終え、2年目は理論構築の中軸としている英国ウォーリック大学、Ema Ushioda博士(the inner self, SD, L2 autonomy and motivation研究の世界的牽引役の一人)を招請し、2017年度大学英語教育学会(JACET) 第56回国際大会(青山大学院大学)において、研究分担者2名を交えた共同シンポジウムを開催した。これは本研究の中間成果発表として行い、とくに同博士が提唱している a person-in-context relational view の動機づけ理論と、本科研で取り組むスピリチュアリティとの有機的融合による大学英語教育・学習モデルの構築と実働化について、その可能性を示唆する議論を展開することができた。同時にこの内容に関する研究論文を共著、単著の形でまとめることができた。他方、後半は後期の英語授業を使ってこのモデルを導入した。 3年目(最終年度)の前半は2年目後半のパイロットスタディ(英語授業モデルの構築、導入、教育・学習効果等)のデータ解析を終え、全体を整理・検証しながら研究論文(学会誌、査読付き)を作成し、いくつかの学会誌へ投稿した(すべて採択・掲載:全国英語教育学会紀要 ARELE, JACET九州・沖縄支部紀要、SiSAL Journal)。他方、JACET第57回国際大会(東北学院大学)で研究発表をした。後半は3年間の研究活動をまとめた成果報告書の作成をし、刊行した。
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