研究課題/領域番号 |
16K02848
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
中西 千香 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (50548592)
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研究分担者 |
荒川 清秀 愛知大学, 地域政策学部, 教授 (00167230)
明木 茂夫 中京大学, 国際教養学部, 教授 (10243867)
塩山 正純 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (10329592)
植村 麻紀子 神田外語大学, 外国語学部, 准教授 (70512383)
干野 真一 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (00515463)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | レアリア / 教授法 / 語彙理解 / 文法理解 / 口語教育 / 書面語教育 / ことばの文化背景 / 異文化理解 |
研究実績の概要 |
H29年度は『中国語教育のためのレアリア読本』の作成を目標にやってきた。メンバーとの意見の交換、データのやりとり、原稿入稿、校正を経て、無事年度内に完成し、中国語教育従事者への配布をほぼ終わらせた。今後も要望があれば、残部のある限り、配布する予定である。 完成した『中国語教育のためのレアリア読本』は、理論編(6編)と実践編(3編)と3つのリストからなる。 理論編は、レアリアの特徴、教育に落とし込んだ際の難しさなどを書いた。メンバーの取り扱ったレアリアはそれぞれ異なるが、どれも授業の中では非常に学習者が学ぶべき、興味が持てるものであり、通常のテキストとは異なるアプローチで、何が難しいのかについて、実例を用いながら述べている。取り扱ったものは、街の表示、漫画、CM広告、ルポルタージュの文章、料理のレシピとそれぞれ異なるが、それぞれの面白さ、難しさを紹介できたと思う。中には、語学の授業というより、講義形式の授業で用いているものもある。それでも中国語のレアリアの特徴を伝えるための注意点などは示せていると思う。 実践編は、実際の語学の授業に使う場合の実践例を書いた。取り扱えるレベルもそれぞれ違うが、なるべくかみ砕いて、入門~中級レベルで用いる場合の方法について、時間配分、用意すべきプリントも紹介しながら、より多くの人が実践できるよう詳細に述べた。もちろん、授業を行う側の準備は必要だが、これを読んでやってみたいと思ってもらえたらと願わんばかりである。 巻末にレアリアを見る際に役立つ、口語書面語リスト、漫画のタイトル中国語訳リストを付した。リストについてはまだ改善の余地があるが、2期にわたって行ってきた本科研の一つの区切りとして、この『中国語教育のためのレアリア読本』を完成でき、世に問うことができたことは本当に良かったと思う。 したがって、H29年度は計画通り、目標は達成できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一年かけて、予定していた『中国語教育のためのレアリア読本』も完成、配布までこぎつけた。順調にタスクをこなしてきているので、非常に満足している。『中国語教育のためのレアリア読本』は、当初予定していなかったリストも入れることができたので、その点は計画以上のことができたともいえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は配布した『中国語教育のためのレアリア読本』の意見集約、それをふまえたさらに必要な部分を掘り下げていくつもりである。 H30年度もメンバーだけの勉強会、外に向けた研究会を行い、より多くの中国語教育従事者、中国語学習者の声をひろっていけたらと考えている。 これまでみてきたレアリアは、レアリアと呼ばれるものの中でもごく一部を取り扱ったに過ぎない。レアリアと一言でくくれるものではなく、レアリアごとに共通項、異なる点はある。また、これまでみてきたレアリアもさらに掘り下げてみることできるだろう。 このまま掘り下げるか、異なるレアリアをみるのかは個々のメンバーに任せることにしたい。 意識すべきは、レアリアだけの傾向をみること、中国語教育にどのような形で援用することができるかである。これまでも意識していないわけではないが、中国語教育に役立てるようより一層意識して挑んでいく所存である。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画通り、適切に予算を執行していると思う。残っているものは、フィールドワークで中国語圏へ出向くため、また、メンバーが集まるための交通費として、次年度にまわす。
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