研究課題/領域番号 |
16K02854
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
岩本 典子 東洋大学, 理工学部, 准教授 (40568060)
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研究分担者 |
吉田 宏予 東洋大学, 理工学部, 教授 (00320789)
Schulman Maichel 東洋大学, 理工学部, 准教授 (50328647)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 英語教育学 / キャリア教育 / 英語学習動機 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、研究対象者が大学2年生となったため、2年生の必修英語授業においてキャリア教育を取り入れた。会社のリサーチワークを取り入れた英文履歴書の作成、英語ログノートの執筆を実施した。10月には米国ニューヨーク・ペース大学のEnlgish Language Instituteの副部長を招聘し、「English as Second Language (留学生へのアプローチ)」のタイトルで、留学によるキャリアの可能性拡大について学生対象の講演会をおこなった。さらに学生の情意要因の変化を測定するため、29年4月、7月、30年1月にアンケート調査を実施した。また英語能力を測定するため、29年12月にTOEIC-IPテストスコアを収集した。 2年間のアンケート・データとTOEIC-IPスコア変化の関連について分析したところ、英語能力が2年間で向上した学生と下がった学生では、「内発的動機(Intrinsic Motivation」と「外的調整(External Regulation)」の要因において有意の違いがあることがわかった。つまり、英語能力が下がった学生は、これら2つの要因が2年間で有意に低下していたのに対し、英語力が向上した学生は2要因とも高い水準を保っていた。特に外的調整の要因では、「良い仕事を得るために英語を勉強している」「英語検定試験のために英語を勉強している」という項目が含まれるため、キャリア教育との関連がうかがえる。このことから、キャリア教育によってモチベーションを高く保つことができた学生は英語力を伸ばしたが、そうでない学生は英語力も下がってしまったことがわかった。この結果については、6月の国際大会で発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年に引き続き、キャリア教育エクササイズを組み入れた英語授業を実施し、アンケート調査3回分とTOEIC-IPスコアのデータを計画通り収集することが出来た。また、昨年度の結果について学会で口頭発表をおこなった。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、2年間のアンケート・データとTOEICテストスコア変化を統計分析し、その結果に基づいて、学生に個別インタビューを実施する予定である。学生のインタビュー・データを分析することにより、キャリア教育を取り入れた英語授業の効果について量分析と質分析の両方の面から検証していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
「次年度使用額が生じた理由」 ニューヨーク・ペース大学から2名の招聘を予定していたが、先方の都合により、1名しか来日できなかった。また、口頭発表を行ったJACET全国大会が今年度は東京で開催されたため、3名分の滞在費が必要なくなり、旅費もほとんどかからなかった。これらのことから、次年度への繰り越しが大幅に生じた。 「使用計画」 平成30年度はインタビュー・データを収集するため、データ書き起こしアルバイトを雇う。ニューヨーク・ペース大学から教員を招聘し、講演を実施予定である。学会発表のために旅費を計上する予定である。
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