今回の研究は、何をスピーキング力と呼び、それをどう測るのかという根本的な問いに立ち返るきっかけとなった。今回用いた3種類のオンラインテストでは測り方も測っている能力も違うので、同じ活動の効果を測った場合でも異なる結果となった。これは、現在議論されている「入試への英語民間試験利用」のありかたを慎重に考える必要性を示唆している。 2017年の研究からは、多読絵本による反復練習のみでも音声や語彙にプラスの影響を与える可能性が観察された。さらに、2016年の結果を踏まえると、発話能力をより高めるためには、ブックトークや再話による効果的な認知的負荷のかけ方をさらに探る必要がある。
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