研究課題/領域番号 |
16K02869
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研究機関 | 関西国際大学 |
研究代表者 |
河内山 真理 関西国際大学, 教育学部, 教授 (50290424)
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研究分担者 |
有本 純 関西国際大学, 教育学部, 教授 (50132626)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 英語教育 / 発音記号 / 発音指導 |
研究実績の概要 |
H28年度は、主として中学校の検定教科書およびそれに準拠する参考書・指導書などの書籍における発音の表記の差異について、また音声学に関する専門用語の差異について調査を行った。中学校の検定教科書は、中学1年生では、発音記号を記載していない。しかし巻末などにまとめて発音方法や発音記号に関する説明を付けている場合もある。しかしながら記載内容に差がある。また、教員向けの指導書(Teacher's Manual)や教科書と同じ体裁で、赤字や青字で解答や解説が記載されているTeacher's Bookに関しても、出版社によって差があった。 教員の使用頻度が高いと考えられるTeacher's Bookの場合、イントネーションの表記方法や本文すべてに表記がある場合と一部の場合、文強勢についても、もっとも強い箇所と強い箇所を2段階で表示している場合、音声について、かなり専門的な詳細な記述をしている合と、ポーズの表示の有無など、かなりの差が見受けられた。また、指導書には、巻頭または巻末に音声や発音表記について方針や説明をまとめているものとないものがあった。各単元に記載されている音声に関する内容では、専門でない教員にもわかるようにしているためか、いささか不適切と感じられる記述もあり、出版社でかなりの差がある。同じ指導書の中で異なる説明がされているような場合もある。学習者向けの参考書については、カタカナ表記が多く、それに対して説明がない場合もあり、カタカナ表記では適切な英語の発音を学習するのが難しいと判断できる。 一方で、高校生用の教科書や参考書は、カタカナ表記は使用されず、中学生用にカタカナが多用されているのと対照的である。 実際に学習者がカタカナ表記や発音記号をどう捉えているのか、学習履歴や有用性などについて、アンケート調査を行っている途中である。結果は、H29年に学会発表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H28年度内に予定していたアンケート調査の質問項目作成が遅れたため、一部実施がH29年度にずれ込んだ。H29年度の5,6月に終了する見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
発音記号学習のプログラム案と専門用語ガイドラインの作成を予定通りH29年度に行う。また遅れたアンケートについては同年前期に分析を終える予定である。この結果を参考にしながらプログラム案を作成する。後期にはプログラム素案の有効性について、実際に使用して指導をしながら、検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
一部資料の購入をH29年度にしたため、26524円が残った。高校用の検定教科書がH29年に新しくなるため、高校用の資料購入は一部にとどめた。
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次年度使用額の使用計画 |
H29年度に高校用英語検定教科書や指導書等を購入するのにこの金額を入れて使用する予定である。
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