研究課題/領域番号 |
16K02870
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研究機関 | 天理大学 |
研究代表者 |
吉田 智佳 天理大学, 国際学部, 准教授 (00388886)
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研究分担者 |
白畑 知彦 静岡大学, 教育学部, 教授 (50206299)
須田 孝司 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (60390390)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 第二言語習得 / wh疑問文の習得 / 前置詞の習得 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は日本人英語学習者の言語知識を測る具体的指標を構築することである。本研究では「読む」「書く」「聞く」「話す」際の基盤となる文法の習得に焦点を絞り、日本人大学生が学習してきた学習指導要領内にある文法項目について「何が習得できていて」「何が習得できていないか」を調査し、習得できていない事項があれば、その困難さの要因を検証する。 また、本研究の2年目からは新学習指導要領の下で学習した学習者が入学するため、彼らにも調査に協力いただき、新旧の異なる学習指導要領の下で英語を学習してきた大学生の文法力を比較する。その比較に基づいて「どのような項目が習得されるようになったのか」「依然として習得されにくい要素は何か」を調査し、学習指導要領間での文法指導の効果の影響を検討する。 このように、本研究は異なった文法項目における日本人大学生の文法能力の発達を調査するだけでなく、それを英語教育に応用しようとする点、および、新旧の異なる学習指導要領の下で学んできた大学生の文法能力を比較するという新たな指導の効果について着目している点でこれまでの先行研究とは大きく異なる。 初年度である28年度はwh疑問文、前置詞の困難度調査に着手した。まず、wh疑問文と前置詞においては、どのタイプのwh疑問文、どの前置詞の用法の習得が困難であるかを調査し、順序付けを行った。さらに習得が難しいと思われるwh疑問文の産出においては、どの段階が困難であるかを特定化すると同時に、なぜ困難であるのかについても考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最初に着手したwh疑問文の調査に多くの項目を入れすぎたため、結果が分かりにくく、再調査を行うなど、時間を要してしまったことが原因である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は文法項目とその調査順序を再度検討すると同時に、一つの調査における調査対象項目を少なくする。一度の調査に多くの内容を詰め込むのではなく、より少ない項目に焦点を絞って複数回に分けて調査を行う。不明な点が出てきた場合には、その点に焦点を当てた別の調査を行い、困難度調査を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請当初に予定していた調査項目の選択とその順序を変更したことにより、実験仮説の土台となる理論を学ぶための勉強会への参加が増え、打ち合わせ回数も増えた。実験についても、今年度選択したテーマについては一つのテーマに対して複数回数の実験を実施する必要性が生じたため、その都度、データを入力していただくための費用が必要となった。このような背景の下、打ち合わせや勉強会への参加に伴う旅費、データを入力していただくための謝金が必要となった。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度の予定が遅れている分、特に今年度は実験や調査が多くなるため、打ち合わせやその前段階の勉強会への参加が必要となる。そのため、最終年度の費用を一部前倒しする必要があると思われる。しかし、最終年度の後半は主に発表に関わる費用の支出に限定される予定であるため、支障は出ないと思われる。
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