研究課題/領域番号 |
16K02874
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研究機関 | 熊本高等専門学校 |
研究代表者 |
石貫 文子 熊本高等専門学校, 共通教育科(八代キャンパス), 准教授 (00450148)
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研究分担者 |
柳生 義人 佐世保工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (40435483)
西口 廣志 佐世保工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (00580862)
DOYLE HOWARD 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (00448391) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 自律学習 / ブレンド型学習 |
研究実績の概要 |
本研究は、英語学習者の自律性を高めるため、LMS(Learning Management System)を利用した英語学習システムを構築し、①オンラインとオフライン、個別学習とグループ学習を組み合わせたブレンド型英語学習環境を構築するとともに、②これを利用した学習を通してその有用性を明らかにし、③当該システムおよびこれを利用したブレンド型英語学習における学習者の自律性への質・量的な影響を明らかにすることを目的とする。 平成28年度に継続して、平成29年度はブレンド型学習システムを整え、学生の自学の質や量に関するデータを収集する目的で、「学生の自律性を高めるためのブレンド型学習システムの構築」に取り組んだ。これまでに継続して行ってきたネイティブ英会話話者の教師を交えた少人数英会話セッションや、海外からの短期留学生たちや地元の佐世保米軍基地の初等中等教育学校との交流を通した協働学習、さらに学習者による英語力の自己評価と学生たちの相互評価(ピアアセスメント)を通した、自律学習に必要とされる学習に関するメタ認知力の涵養に加え、29年度は、LMSのBlackboard上における個別学習を促進した。その結果、オンラインとオフラインにおける個別学習とグループ学習を組み合わせたブレンド型英語学習が可能になった。さらに、構築したシステムの有用性を評価するために、学生対象のアンケート(多肢選択式)と、学生による自身の学習の振り返りや自己評価を実施し、それに加えて、Blackboard使用データを蓄積することで、データ収集も進めた。今年度の取り組みは昨年度と同様、複数の学会で発表を行い、研究成果を公表することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は、前年度まで交流を行っていたシンガポールからの短期留学生との交流が中断されるという想定外の出来事が起こったため、当初の予定を少し変更することを余儀なくされた。しかし、それ以外の研究項目としての、中国からの短期留学生たちや地元の佐世保米軍基地の初等中等教育学校との交流におけるプレゼンテーションの実施や、協同学習の推進、並びに、これらの活動を通した自己評価によるメタ認知力の養成に関しては、予定通り行うことができた。 さらに、ブレンド型学習を促進するため、平成28年度に十分に行うことのできなかった「LMS(Learning Management System)の運用」と「教材開発」を進めることができた。具体的には、教員によって準備された独自の教材を作成しLMS上にアップすると同時に、無料で使用できるインターネット上の良質な教材にリンクをはり、学生達がLMS上からアクセスできるように整えた。さらに、学生が自身の学習を振り返るための学習ダイアリーをLMS上に設け使用することで、自律学習を促進する環境を整備した。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度の平成30年度には、これまで収集したデータを基に、「学生の自律性を高めるためのシステムの評価」をさらに進める。具体的には、1. 「Blackboard 上の学習者(学生)の英語学習に関する質や量に関するデータ」、2.「学習者(学生)へのアンケート」、3.「学習者(学生)の英語学習・運用に関する自己評価」、4.「教員達による学習者(学生)の英語学習・運用に対する評価・記録」の4つの異なるデータをもとに、システムの評価を行う。本研究の成果は、学会誌への論文投稿等の手段で広く公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 平成29年度に購入を予定していたソフトウェアの入手を見送ることになり、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 次年度は、データ分析を深めるために必要な知見を得るための書籍やソフトウェアを購入し、研究目標の達成に役立てる。さらに、研究発表などのための旅費に充てる。
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