研究課題/領域番号 |
16K02883
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
南部 みゆき 宮崎大学, 医学部, 准教授 (90550418)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | e-ラーニング・コンピュータ支援学習(CALL) / 学習者オートノミー |
研究実績の概要 |
本研究は、海外で英語を用いて看護実習を行う看護学科生のため、渡航前の学習準備が、より実践内容に即したものとなるよう、実習先での指導教官(指導看護師)の言語データを収集・分析し、学生が十分な知識と学力を持って実習に臨めるような、ENP(English for Nursing Purposes)プログラムを構築することである。看護実習の内容を掘り下げ、学生が不安を抱くことなく、渡航前に自信を持って英語で看護実習に臨めるよう、将来的にはビジュアル化した教材の作成を目指す。 本研究では「看護実習で学生に求められる英語」を結論として抽出していくが、発話データ収集対象を、学生ではなく、学生の指導教官(指導看護師)にしている。発話量の低さは、個人の英語スキルの問題もあるが、1つには、求められる内容のインプットが出来ていなかったこと、その練習も皆無であったことが挙げられる。ついては、指導教官の発話にフォーカスすることで、各場面・各診療科において求められる学生の知識と発話力の抽出が可能と考えた。 初年度なる28年度は、海外で英語を用いて看護実習を行う看護学科生のために、渡航前の学習準備が、より実践内容に即したものとなるよう、実習先での指導教官(指導看護師)の言語データを収集することが目的である。8月の総合実習の期間を利用して看護学生がプリンス・オブ・ソンクラ大学に行くため、学生に帯同し、指導教官の発話について、録音・録画を行いデータを収集することが目的であった。 しかしながら、研究者の家族の事情により、該当する8月の週に出張を断念せざるを得ない状況が発生し、データ収集が不可能に終わってしまった。実習期間が3週間と決められていることもあり、他の時期に行くことも選択できない状況だったため、本年度、来年度で計画していたデータ収集を、来年度・再来年度(29・30年度)に振り替えて実施する計画に変更した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
概要でも触れたが、研究者の家族の事情により、該当する8月の週に出張を断念せざるを得ない状況が発生し、データ収集が不可能に終わってしまった。実習期間が3週間と決められていることもあり、他の時期に行くことも選択できない状況だったため、本年度、来年度で計画していたデータ収集を、来年度・再来年度(29・30年度)で実施する計画に変更した。
|
今後の研究の推進方策 |
本計画は3年計画であったが、前述したとおり、初年度のデータ取集が不可能であった。よって、以下のように計画を変更して行う。 29・30年は、データ収集を行う。看護実習生に帯同し、学生の指導教官(指導看護師)の場面別会話データを収集する。また、『看護ケアプラン』に関する英語文献を用い用いてコーパス分析を行い、看護ケアプランの立案には、どのような語彙が頻出するかを調べ、その特徴を明らかにする。研究の最終年度となる、平成30年度においては、プリンス・オブ・ソンクラ大学で収集したデータ分析の結果をもとに、1)看護学生自身が診療科別に看護知識を英語で学べる学習教材、2)看護学生自身が場面別で看護英語を発信できるオンライン学習教材が提供できるシラバスデザインの開発を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究者の家族の事情により、当初計画していた8月の出張を断念せざるを得ない状況が発生し、旅費が発生しなかったためである。学生の実習期間が3週間と決められていることもあり、他の時期に行くことも選択できない状況だったため、本年度、来年度で計画していたデータ収集を、来年度・再来年度(29・30年度)に振り替えて実施する計画に変更した。
|
次年度使用額の使用計画 |
29年度は、28年度に実行できなった学生の指導教官(指導看護師)の場面別会話データを収集する。8月15日(火)から3週間の実習がプリンス・オブ・ソンクラ大学で始まるが、研究者は、実習第2週目にあたる8月21以降に実習先に赴き、まずは、担当看護師との打合せに臨む。その後、看護実習生に帯同し、おもに指導教官(指導看護師)の発話内容の明確化・データ化を目指す。そのためには、研究者自身、およびデータ収集の協力者の旅費、必要に応じて録画・録音機材の購入が考慮される。分析可能な特殊コーパス構築には、最低10,000語あれば十分であるが、看護実習に帯同する期間は最低3日間は必要であろうと考える。また、最終的には学習者自身のオートノミーを意識した教材構築につなげていくため、関連した学会やワークショップ(ICT教育、アクティブラーニング関連)の参加もしていくので、その旅費が必要である。
|