研究課題/領域番号 |
16K02899
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研究機関 | ヤマザキ学園大学 |
研究代表者 |
大橋 由紀子 ヤマザキ学園大学, 動物看護学部, 講師 (40589793)
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研究分担者 |
投野 由紀夫 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10211393)
関谷 弘毅 広島女学院大学, 国際教養学部, 講師 (60759843)
花田 道子 ヤマザキ学園大学, 動物看護学部, 教授 (10618812)
島森 尚子 ヤマザキ学園大学, 動物看護学部, 教授 (70389914)
岡 勝巌 ヤマザキ学園大学, 動物看護学部, 講師 (30589792)
片桐 徳昭 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (60734829)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | コーパス / ESP / 動物看護 / e-learning / AHT |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、中核的専門人材養成のためのESPコーパスの設計デザイン、設計基準を確立し、デジタルコンテンツを利用したESP教材を開発することである。動物看護学に関連する動物病院での医療カルテをコーパス化し、高頻度で使用される語彙やフレーズをe-learning、およびデジタル教材で学習し、その効果を測定することが目的である。平成28年度は、コーパスの元となる動物病院カルテ収集・データ入力および整形を行った。電子化にはスキャンを使用したが、一部の手書きのデータもコーパスに含めるため、それらは手入力で作業をすすめた。完成間近である動物看護カルテコーパスのデータの一部(猫に関する資料)を使用して調査した語彙分析の成果を学会や論文にて報告した。以下にその概要を示す。 1)動物看護カルテコーパス収集:動物医療カルテを協力者より入手し、紙ベースのデータを電子化した。動物看護学を学習するための英語教材に利用できるよう、分野・動物の種類・症状・医師の国籍、breedごとに異なるタグをつけ、XML形式で保存した。現在ほとんどのデータのコーパス化が終了している。 2)学会発表・論文執筆:日本動物看護学会第25回大会(開催地:酪農学園大学)にて、途中経過を報告し、助言を受けた。(タイトル:「猫の病気・福祉・健康管理」コーパスから見られる、動物看護師のための英単語、連語リスト-猫に関する文献を読むために必要な語彙と表現)現在日本動物看護学会への投稿論文が採択決定している。その他、正規表現を利用したコーパス構築に関する論文を本学紀要(タイトル:正規表現を利用した動物病院カルテの英語コーパス構築 ヤマザキ学園大学 第7号 pp.25-40)にまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現段階では、研究計画に沿って概ね順調に進んでいる。平成28年度の本研究計画では、主にESP動物看護学教育用コーパス構築のためのデータ電子化、およびデータ整形に焦点があてられていた。現在ほぼ収集した全てのデータの電子化が完成しており、日英パラレルコーパスの構築が進んでいる。一般英語とは言語的解釈の差異が生じるため、動物看護学に合わない翻訳をつけないよう、コーパスから抽出した内容にあわせて訳をつけている。構築したコーパスより、頻出語彙・連語を高頻度順に抽出し、頻出語彙・連語リストを作成した。 次なる分析の段階として、異なるタグごとにデータを抽出し、出現する語彙の比較を行う準備を進めている。語彙リスト作成後、e-learningに入れ込む学習材料を選定する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度に構築したコーパスより、教材として使用すべき情報を抽出する。得られた内容をクイズ形式にし、e-learning教材、およびデジタル教材を作成する。平成29年度は主にe-learning学習環境を整える。作業は①デジタルコンテンツ教材作成のための題材選定、および②学習者への作成教材の実行の2段階のプロセスで行う。①のデジタルコンテンツ教材作成のための題材選定に関しては、動物看護学を学ぶ学生が対象であるため、e-learningに入れる内容は、構築したコーパスから、動物看護学、および動物医療現場に即した語彙・表現を選ぶ。特に視覚補助が有るほうがわかりやすいような語彙・表現を選定していく。②の学習者への実行に関しては、選定した語彙を教材化し、学習者が各自e-learning学習を進められるように環境を整えることが重要となる。全ての学習者の学習進行状況を確認していくことも必要である。同時に、e-learningで学んでいる内容を学内でデジタル教材として流しておく。内容理解を確認するプレテスト、および動機付けを調査し、学習が全て終了した際には、e-learningとデジタル教材の効果を測定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度は動物看護医療カルテコーパス構築を中心に活動したため、Macbook proを使用しての教材作成は次年度以降となった。よって、購入を予定していたMacbookと、その他の教材作成用ソフトの購入が次年度以降となったことが主な理由となった。
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次年度使用額の使用計画 |
生じた次年度の余剰金は、新年度に予定している教材作成にむけての機材購入、および成果発表のための国際学会発表のための費用として支出する予定である。
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