ツール自体に関しては、既存ツールである‘動詞変化形提示ツール’は一般公開されており、誰でも使えるようになっていることから、その使い勝手など、さまざまな意見を聞くことができた。そのうえで、使いやすさや精度の向上を図るため、データベースの内容並びにツール画面を見直し、修正を加えた。レイアウトを変更したり、使用頻度が少ないボタンを削除したりするなどして、更に完成度を上げた。さらに使用した教授者、学習者から動詞学習に良い効果があったという意見を得ることができた。また、前年度までに新規学習支援ツールとして作成した‘応答パターン提示ツール’は、まだ一般公開の段階にまでは至っていないが、それが可能となるよう、試行錯誤を重ねている段階である。文例が100文以上あるため、学習ターゲットの例文を抽出して使用できるよう、改良改善を重ねている。例文は現時点では録音された応答文が固定されているが、汎用性を高めるためには音声の有無に関わらず、エクセルシートで自由に応答文が入力できるようになるのが望ましいと考えている。 また、応答パターン提示ツールの応答文のネイティブスピーカーによる回答に関して、前年度までに日本国内作成のテキストにあるような応答パターンとは異なるパターンが散見されることがわかったが、応答文を9つのカテゴリーに分け、どのような傾向、並びに差異が見られるのかを検証した。その結果から、今までとは異なる形での教材作成ひいては教授法の開発へとつながる可能性が出てきた。従って、今後はそれらの更なる分析と研究に基づいて、ツールのブラッシュアップにも努めていきたい。 最終成果発表として、スペイン、チリでの国際学会、国内では、関西スペイン語教授法ワークショップ、FLExICT Expo2018で発表を行った。
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