28年度と29年度と同様に愛知県立豊橋聾学校・豊橋市立くすのき特別支援学校・愛知県立豊川特別支援学校にて調査を行った。聴覚障害や知的障害のある生徒を対象に、基本英単語の習得状況を調査し、追加データを収集した。情報端末を利用した個別学習やグループ学習により、英語音声・英単語・英語表現の獲得と記憶の定着を促す調査をさらに進め、複数年に亘る追跡調査を行った。 重複障害生徒・知的障害のみの生徒・聴覚障害のみの生徒を対象に実験授業を行い、事前事後のデータを比較したところ、多くの調査協力者において改善が観察された。同時に障害の種類や程度による影響も明らかとなっている。成果報告としてこれらの調査の一部について、外国語教育メディア学会中部支部第91回支部研究大会と日本英語音声学会中部支部第28回研究大会にて研究発表を行った。 海外調査として、ニュージーランドのKelston Deaf Education Centre・Ormiston Senior College・Ormiston Junior College・Ormiston Primary Schoolを訪問し、授業見学、特別支援教育の現状についての情報収集、スタッフとの情報交換を行った。さらに、ニュージーランドの特別支援教育関係者が愛知県立豊橋聾学校を訪問し、教頭や英語担当教諭と情報交換も行った。現在調査を行っている特別支援学校の間のネットワークを強化するため、担当者による情報交換を目的とした打合せ会を行った。 本研究課題を遂行することで、特別支援教育の現場スタッフとのネットワークが広がり、新たなフィールドの開拓に繋がり、研究対象となる障害の種類を増やすことができた。これまでの調査協力校に加えて、新たな特別支援学校での実験授業を展開する機会を得ることができ、研究調査を次の段階に進めることができた。
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