研究課題/領域番号 |
16K02918
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
奉 鉉京 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (50434593)
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研究分担者 |
加藤 鉱三 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 教授 (20169501)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 英語前置詞 / 英語副詞辞 / 第二言語習得 / 統語的特性 / 意味的特性 / 母語影響 / 習得難易度 |
研究実績の概要 |
【平成28年度】初年度―文献研究・予備実験・本実験のデザイン完成 (1)【実験研究準備:先行研究精査と予備実験実施】(担当:奉)文献研究(第一・二言語習得・言語学・英語教育)を行った。奉の既存の実験研究や本研究の為に既に行った英語副詞辞の習得のミニ予備実験研究の方法も精査した。さらに英語習得・教育関係文献及び英語能力テストの研究を行った。それを踏まえた上で、本実験のデザインを立案し、現在修正をおこなっている。さらに、先行研究の調査・考察・分析、既存研究成果等を精査した上で、英語副詞辞の用法等を具体的に分類・整備しながら、テスト用例文用の用例集を作成している。その用例集は英語母語話者による「実験用例文の適性」調査を5段階評定及び項目別要因評定をしてもらったが、疑問点が浮上し、再検討中である。実験用例文などに対する言語習得研究者との研究会及び事件研究協力者との意見交換を行った。その研究会や意見交換会に結果等を踏まえた上で、予備実験用の実験方法を完成させたが、用例集で浮上した問題とテストにおける潜在的問題点が見つかったので、予備実験の修正を行った。現在、予備実験の再検証中である。
(2)【理論研究】文献研究及び英語の副詞辞と句動詞の実例を分析し、統語的・意味的特性を記述しながら統語的分類による3タイプ(分離副詞辞Separable、非分離副詞辞Non-Separable、疑似自動副詞辞Quasi-Intransitive)と意味的分類による3タイプ(調和類transparent、中間類Aspectual、拡散類Abstract-Idiomatic)の分布図を立案した。その検証を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本語母語話者による、英語第二言語習得データベースにおいて、副詞辞の用例が非常に少ないことにより、予定していた既存のデータ収集・分析に予定より時間がかかった。さらに、予定していた予備実験の検証において、前置詞と副詞辞の区別判定テストにおける問題点が浮上し、再検証をしたので、28年度末に予定していた予備実験の実施が遅延し、その結果をもとに学会発表などが年度を超すことになった。理論研究の面においては遅れていない。
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今後の研究の推進方策 |
【平成29年度】2年目―日本で習得の本実験研究実施と韓国語母語話者対照の予備実験実施 (1)【実験研究1と予備実験2】日本で本実験の遂行・データ入力・考察・分析を行う。さらにその結果等について国内外の研究者と意見交換する。その成果などを報告(研究発表・論文執筆)する。被験者確保対策:実験研究の被験者の確保の為に、実験回数や実験期間などを綿密に計画する。日本の教育機関に勤める先輩・同僚・共同研究者などに依頼することにより被験者の数の確保に努める。さらに、実験に参加する被験者には、英語能力判定に結果に基づいて弱いところの指摘やどのように英語を勉強すれば伸びるのかなどのフィードバックや文具類と図書券等で謝礼をする。日本に留学している韓国語母語話者を対象に予備実験をもう一度行い、その結果を分析し、韓国での本実験に備える。 (2)【理論研究とデータ分析】副詞辞を選択しない日本語の複合動詞・接頭辞・助詞の統語的・意味的特性を記述し、分布図を完成する。それにより、日本語母語話者はどのように母語を英語副詞辞・句動詞の習得に用いているのかなどを究明する。
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次年度使用額が生じた理由 |
送料・手数料の割引により生じた差額。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度請求額と合わせて、文具類の購入に充てる。
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