研究実績の概要 |
平成29年度は、前年度(平成28年度)に収集、研究した社会文化理論(SCT理論)に基づき小学校外国語授業での実践授業をパイロット研究(事例研究)として行い、その結果を学会発表および研究論文として発表した。学会発表および論文内容の詳細は以下のとおりである。 学会発表:第17回小学校英語教育学会(JES)兵庫大会(2017年7月)、発表タイトル:相互行為能力の発達の観点から見た教室実践、発表概要:小学校5年生の外国語活動で行われたクイズの活動の中で発生した行き違いを取り上げ, 教師と児童間の相互行為を会話分析の立場から観察し, どのような組織や リソースの使用によってやりとりが成立しているかを記述・分析した。 発表論文タイトル:社会文化理論に基づく児童の語彙学習の分析-<share>の「意味」と「感覚」-(JES Journal Vol.18, pp.132-147, 2018年3月)、論文概要:小学校5年生の語彙学習において児童が描いた絵を媒介道具として、具体的なことばの概念を理解してゆくプロセスを社会文化理論(SCT)の視点から分析した。 理論構築のための情報収集を主に行った1年目を踏まえ、2年目は、1年目に実践した大学生および留学生との相互行為能力をはかる研究だけでなく、本研究対象者である小学校における外国語の授業実践において実践を行い、社会文化理論による分析を行い、その結果を発表、論文にまとめられたことで、2年目の目標としては概ね達成したと評価される。
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