第二言語読解研究において,学習者個人の動機づけ・学習観・方略使用の関係性については報告が見られるが,家庭や学校などの社会環境的要因との関係性については研究が進んでいない。本研究では,これらの第二言語読解の個人差要因について家庭・学校・地域社会・社会通念との関係から考察した。研究方法の面では,量的・質的アプローチの併用による数値的・言語的データの比較対照を通して,第二言語としての英文読解の動機づけ・学習観・方略使用に社会環境的要因がどのように影響するかを分析した。結果の概要として,社会環境的要因は第二言語読解の個人差要因に影響を与え,中でも社会通念が動機づけに与える影響が大きいことがわかった。
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