本研究の目的は日本人英語学習者によるライティングとスピーキングに観測される感情表現・感情音声に着目し、その言語特性を明確にしたうえで、効果的なコミュニケーションに役立つ感情表現能力を確実に身につけさせる指導法を確立することであった。本研究の成果を英語授業や英語教材に反映させ、英語で効果的、 効率的なコミュニケーションができ、国際的に活躍できる日本人の育成の一端を担うべく、本研究を遂行した。 ライティングに表出する感情表現の特徴を明らかにするため、日本人大学生、英語母語話者、英語圏に10年以上在住する日本語母語話者を被験者として作文実験を実施し、アプレイザル分析と計量テキスト分析という2種類の手法を用いて分析を行い、言語特性を観測した。それぞれの被験者グループにおいて異なる英文パターンと特徴が示された。 スピーキングに観測される感情音声については、日本人大学生、英語母語話者、音声読み上げソフト(TTS)の音声データを分析対象として、単音とプロソディの両面から特徴を比較し類似点・相違点を明らかにした。 最終年度である2019年度は、本研究で得られた成果を国内外学会や研究会等で数多く発表することを目標に準備を重ねたが、発表する予定であった学会や研究会、セミナー等がすべて中止や延期になり、成果発表の機会を失った。最終年度に成果を発表できなかったことはとても残念である。本研究期間は終了となるが、今後、国際大会や論文等で本研究の成果を発表していく予定である。
|