研究課題/領域番号 |
16K02954
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
物井 尚子 (山賀尚子) 千葉大学, 教育学部, 准教授 (70350527)
|
研究分担者 |
J・A Elwood 明治大学, 総合数理学部, 専任准教授 (00400614)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 外国語活動 / WTC / 学習意欲 / L2コミュニケーションの自信 / 国際的志向性 / 小学校英語 / 早期英語教育 / 個人差要因 |
研究実績の概要 |
本研究では、H24~27年度科学研究費補助金 基盤研究C (課題番号24520699)での課題を踏まえ、次の2つの課題を遂行することを目標として研究を開始した。(1)小学5・6年生を対象に構築されたWTCモデルの小学3・4年生から中学生段階における適合度の確認、(2)小学3・4年生から中学3年生を対象とした7学年での横断的調査におけるWTCモデルの構成要素の確認、である。今回の調査では、先行研究で明らかにされていなかった日本人児童および中学生に特有のWTCモデルの構築を実現するために、小学3・4年生、そして中学生段階に参加者が拡大された。先行研究では、日本人高校生・大学生のWTCモデルが既に確立されている。今回の調査により、小中高大という長期的な視野でWTCモデルの変化を俯瞰することができる。なお、これらの結果は、小・中学生の英語運用能力を心的側面から支援する際の大きな検討材料になることが期待できる。 本年度は、研究の初年度として、①小学3・4年生用の質問紙の叩き台を作成(平成28年6~12月)、A小学校236名の3,4年生を対象にパイロット・スタディを実施した(平成29年1月)。②小学5・6年生については、千葉県内の9つの公立小学校に在籍する児童1,631名を対象に年2回の質問紙調査を行った(年度当初5月、年度末2月)。このうち、4校(約400名)では、英検Jr.を年度末2月に実施、実際の英語運用能力との情意面の相関性を確認する作業を今後進める予定である。また③中学生用の質問紙も学年別に用意し(平成28年10月~平成29年2月)、B中学校2年生(300名)を対象にパイロット・スタディを実施した(平成29年3月)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小学3,4年生用の質問紙の開発のため、約200名を対象としたパイロット・スタディが実施できたこと、また、中学2年生用の質問紙の開発のため、約300名を対象としたパイロット・スタディが実施できたこと、の2点により、これまでより多くの学年をカバーする質問紙を準備できたことが順調な進展と判断した理由である。 ただし、中学校でのデータ収集先がなかなか決まらず、また今年度は中学2年生のみの実施で終わってしまったことが残念である。その理由は、一昨年から毎年11月、千葉県教育委員会がすべての中学生を対象に英検が作成した英語能力試験を実施しており、英語の授業時間が削られてしまうために、さらに質問紙調査、また新たな英語能力試験に二の足を踏む学校が多かったことである。中学1,3年生での実施が可能になるよう次年度以降、データ収集先を確保する必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、①小学3,4年生用の質問紙の妥当性・信頼性を検証し、最終版をもとに高学年同様複数の小学校でのデータ収集を進める。また、②中学生用の質問紙についても、中学2年生については同様に妥当性・信頼性を検討し、汎用性を高める。同時に、他学年については、パイロット・スタディが実施できるように、候補地を選定する必要がある。加えて、③小学5,6年生の質問紙結果と英語能力試験の相関も確認しておく必要がある。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度の分担金と次年度のそれを合わせて購入したい専門書があったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
先の専門書を購入する予定である。
|