研究課題/領域番号 |
16K02957
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
足立 祐子 新潟大学, 教育・学生支援機構 グローバル教育センター, 准教授 (00313552)
|
研究分担者 |
松岡 洋子 岩手大学, 教育推進機構, 教授 (60344628)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 教師研修の内容 / 教師研修の評価 / 指導技術 |
研究実績の概要 |
今年度の研究実績は以下のとおりである。
1. 教師研修の内容項目作成のための資料分析:日本語教育の教育実習について各教育機関でどのように実施されているか、その項目について検討し、その具体的な項目について平成28年の夏に日本語教育国際学会で、教育実習の評価方法について平成28年日本語教育秋季大会で発表した。日本国内における教育実習に関しては各教育機関に任され具体的な実習項目が教育関係者全体で認知されていないことがわかった。また同様に教育実習の評価についても内省的な評価が多く、技術的な評価がほとんどないことがわかった。本研究の発表では内省部分と技術的な部分の両側面を向上するための研修内容が必要であると主張した。 2.ドイツの教師研修の分析:平成29年3月にドイツのヴィースバーデン市民大学の研究協力者のもとを訪れ、教師研修について見学およびインタビューを実施した。二人のトレーナーが連携して研修する点が特徴的であった。現在、研修内容を分析中である。 3.授業デザイン作成のための試行授業実施:平成27年に分析をおこなったドイツの移民対象のドイツ語の教科書の分析結果をもとに移民的背景を持つ日本語学習者対象の日本語クラスを平成28年11月から週1回実施している。文法的知識があっても日本語運用力が十分でない人々にとっての学習項目の検討を行っている。平成28年7月末に検討結果に基づき授業デザインを作成し具体的な学習活動を想定した教育活動の見取り図を作成する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実際に移民対象の授業を実施しその中で授業デザインを作成する予定であったが、試行授業を開講するための手続きに時間を要し、授業開講が平成28年11月になったため、他の計画を先に進めた。現在は順調に試行授業を継続し試行錯誤しながらも授業デザイン作成のためのデータを収集している。ドイツでの調査でさまざまな知見を得たので平成29年度は計画の順番どおりに進める予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
1.オンラインを利用した教師研修の実施:オンラインを利用して教師研修を実施予定である。予備的な聞き取り調査を実施し、トレーナーも含めて参加者全員が対等な立場での研修がより望ましいことがわかったので研修方法を課題解決型のディスカッション形式で実施する計画である。
2.ドイツ語教育との連携:ドイツのヴィースバーデン市民大学の研究協力者を招き日本国内でドイツ語教師の研修を実施する。教師教育に共通する項目を抽出し、他の言語の教師たちと連携をはかるためのディスカッションを実施する。
3.研修の評価についての考察:平成28年の研究分析で研修の評価について恣意的であることがわかった。今後の方針等根幹的なことについて研究グループで議論し考察をすすめる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
ドイツの調査費の一部を関連する他の研究費を使った。次年度使用額は、ドイツから研修のトレーナーを招き、当初の予定より長期にわたって研修を行う予定であるため、その費用に使用する。
|
次年度使用額の使用計画 |
ドイツ語教育の関係者と連携し、当初、東京のみで研修を実施する予定であったが、次年度使用額を使って大阪近辺でも研修を実施する。その経費の一部に充てる予定である。
|