研究課題/領域番号 |
16K02963
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
吉村 雅仁 奈良教育大学, 教育学研究科, 教授 (20201064)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 複言語能力 / 複文化能力 / 義務教育 / 外国語教育 / 能力指標 |
研究実績の概要 |
本研究は、多言語化・多文化化する学校教育現場,特に義務教育課程において児童生徒の複言語・複文化能力を高めることのできる外国語担当教員を育成するための義務教育教員一環の指標及びその能力開発のための教員研修の開発を最終的には目指すが、本年度は主に児童生徒の複言語能力に焦点を当て、義務教育に限定せず、例えば高等学校終了までにどのような複言語・複文化能力育成を目指すことができるのかを検討した。これに関わって以下の二つを実施した。 (1) 中等教育学校教諭を研究協力者として、中等教育学校6年(高校3年)次の英語の授業に複数の言語を扱う単元を設計、実施し、生徒の意識や能力の変容を調査 (2) 複言語・複文化能力に基づく言語教育の先進例の情報を得るために、ALA第13回国際大会(オーストリア・ウイーン、2016年7月19日~22日)に参加 また、次年度から小学校においても複言語・複文化に関する実践を行う必要があるため、年度末に教員対象のワークショップを開催し、複言語主義、言語意識等の概念の理解とその意義、それに基づく授業の教材や実践方法などを紹介した。今回は、フランスストラスブールから招聘したクリスティーヌ・エロー氏に加え、同じく研究協力者である奈良女子大学附属中等学校教諭の南美佐江氏を講師として、言語意識、複言語主義に基づくセッションを行った。その内容や方法に興味を持つ教員に対して、実践への協力を打診した。内1名は年度が代わるとともに授業実践を試行的にはじめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中等教育学校での授業実践が既に始まりその成果報告も可能な状況にあること、小学校教員の協力者として当初予定していた教員が異動で教育委員会に移ったが、ワークショップの参加者の中から協力者候補が現れていることで、当初の予定に沿って今のところ進められると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
以下の手順で今年度の研究を進める予定である。 (1)中等教育学校で実施した複言語・複文化能力に関わる実践の成果報告は国内外の学会で発表する。 (2)中等教育学校において今度は中学生レベルでの授業実践を行い、育成可能な複言語・複文化能力を検討する。 (3)協力教員を募る目的を兼ね、複言語・複文化に関わるワークショップを計画・実施する。 (4)ある程度協力教員が得られれば、彼らの内省に基づく調査を行い、複言語・複文化能力育成の授業展開のために必要な教員の資質・能力を探求する。
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