研究課題/領域番号 |
16K02968
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研究機関 | 国際教養大学 |
研究代表者 |
町田 智久 国際教養大学, 国際教養学部, 准教授 (40648771)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 教員研修 |
研究実績の概要 |
小学校英語指導のための校内研修プログラムの作成に向けて、秋田県内の外国語指導の実態分析をおこなった。小学校での実態分析は、現状の外国語指導の様子を把握する上で欠かせない。担任教員の英語の使用状況や、授業内の言語活動の配置状況や種類など、英語指導力の向上に向けた重点項目を定める上で理解しておかなければならない。そのため、県内の小学校を訪れ、外国語活動の授業を参観すると共に、小学校教員に対して研修等に対するアンケートを実施した。その中では、小学校教員の外国語活動指導に対する不安度の測定の他に、小学校教科化に向けて不安に思うこと、学びたいことなどを自由記述で書いてもらった。それらの結果をまとめたものを、小学校英語教育学会の仙台大会で口頭発表し、同時に学会誌『JES Journal』で誌上発表(「ティーム・ティーチングを生かした学級担任の基礎的英語力向上の取組み」)を行った。 また、国内の私立小学校における英語指導の事例分析も同時に進めた。私立小学校においては、独自のカリキュラムを採用して英語教育を実践している学校は多い。指導の開始時期も、低学年からや中学年からなど様々である。また、指導形態も担任教員が指導する授業や、英語の専科教員が指導する授業など違いがある。学会等を通して交流を深めた私立小学校教員からの情報提供を受けて、私立小学校のカリキュラムの分析をおこなった。 さらに、校内研修のパイロット・プログラムを早めに作成し、県内の市教育委員会と協働しながら小学校数校で実施した。現在は、小学校で実施したパイロット・プログラムを、受講した教員の意見を参考に改良している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、小学校教員に対する英語指導のための校内研修を開発することである。現在のところ、小学校での外国語活動の実態分析を通して校内研修に含めべき内容や項目を洗い出した。今後は、県内の市教育委員会と協働しながら、先行して作成したパイロット・プログラムを、実際に小学校で実施しながら完成度を高めていく。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、小学校英語指導のための校内研修のパイロット・プログラムの完成と、実際に小学校における試行を続け、研修プログラムの完成を目指す。大仙市教育委員会の協力を得ながら、同市内の小学校7校程度を選定し、校内研修を実施する。学校事情を考慮し、小学校教員が参加しやすいように放課後に実施する。また、学期中に教員の参加が難しい場合は、長期休業などを利用しながら、各小学校において研修を実施する。パイロット版の教員研修への参加者に対しては、アンケートとインタビューを実施して改善点を探る。パイロット版のプログラムを評価する中から、改善を進め最終年度の小学校英語を指導する教員のための校内研修プログラムの完成へと繋げていく
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次年度使用額が生じた理由 |
研修プログラムを作る際に、小学校教員の外国語活動指導の実態を分析のために、授業参観やアンケート調査を行った。授業参観のためのってい調整を行ったが、学校との日程調整が上手く行かない学校が数行あったために、次年度に訪問等を持ち越した。本来であれば、訪問のための国内旅行やデータ分析のための人件費がさらに掛かる予定であったが、その分が29年度に持ち越されたために、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度から持ち越した使用額については、今年度に授業参観やアンケートを実施して使用する。そこで得られたデータを加えて、研修プログラムの補完を行う予定である。同時に、パイロット・プログラムの実施に向けて、持ち越した助成金を有効活用していきたい。
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