研究課題
本研究の目的は、日本人大学生の短期英語留学について、英語圏にて留学を行った者と非英語圏にて留学を行った者を縦断的に比較することであった。具体的には、カナダに短期留学に出かけた者とフィリピンに短期留学に出かけた者を対象に、「英語能力」「英語コミュニケーション量」、および情意面の「モチベーション」「コミュニ ケーションへの積極性」「言語不安」、加えて「異文化感受性」に関する学習者意識の変容を比較分析することで、両者の差異と特徴的要素を明確に抽出し、異なる英語環境での留学体験が英語学習にもたらす影響を明らかにした。本研究は混合研究法を用いることで包括的な研究結果を導いた。研究実績の概観として、4週間の短期留学の成果を測定した結果、英語圏に留学した者と非英語圏に留学した者の間には有意な差異は見られなかったことを報告する。これはエビデンスを基にした有意義な調査結果である。加えて以下に具体的な内容を報告する。1)フィリピン短期留学者にもカナダ短期留学者にも「英語習熟度」に有意な伸長が見られた。2)フィリピン短期留学者にもカナダ短期留学者にも情意面、すなわち「コミュニケーションへの積極性」「モチベーション」の向上と「言語不安」の有意な減少が見られた。3)フィリピン短期留学者にもカナダ短期留学者にも「異文化感受性」の向上は確認されなかった。4)フィリピン留学者にもカナダ短期留学者にも「英語習熟度」と「異文化感受性」に関係性は見られなかった。さらに本研究から得られた示唆としては、短期留学前の「異文化感受性」向上のための事前教育が、英語圏に行く者にも非英語圏に行く者にも必要であることである。
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In Karwowski R. et al. (Eds.). Advances in Physical, Social & Occupational Ergonomics
巻: n/a ページ: 1-7
https://doi.org/10.1007/978-3-030-51549-2_68
In Goossens R., Murata A. (eds). Advances in Social and Occupational Ergonomics
巻: n/a ページ: 572~577
https://doi.org/10.1007/978-3-030-20145-6_57