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2017 年度 実施状況報告書

近代移行期オスマン帝国の付庸国支配の変容から見る黒海地域史

研究課題

研究課題/領域番号 16K02995
研究機関東京大学

研究代表者

黛 秋津  東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00451980)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード地域研究 / 近世史 / 国際関係史
研究実績の概要

今年度はフランスとハプスブルク君主国を中心とする西欧諸国の黒海地域への進出過程とオスマン帝国の付庸国支配への影響に関する分析に重点を置き、研究を行った。

当初の予定通り、ウィーンにある国立文書館のうちの一つHaus-, Hof- und Staatsarchiv、およびオーストリア国立図書館(Osterreichische Nationalbibliothek)において、ハプスブルク帝国の対ワラキア・モルドヴァ政策や18世紀後半の黒海交易参入などを中心とする当研究課題関連史料を調査し、一定の成果を得た。こうして収集した一次・二次史料に加え、刊行されているフランスの外交史料集やその他をも用いて、18世紀の西欧列強の黒海地域進出の中で大きな地位を占めていたドナウ川沿岸のワラキアへの勢力拡大に焦点を当てて研究を進め、秋にはコソヴォ共和国のプリシュティナ大学において開催された国際学会7th International Balkan Annual Conference(IBAC)において、18世紀末~19世紀初頭のフランスのブカレストへの領事館設置問題に関する報告を行った。なお、当初予定していたフランス外務省外交文書館でのフランス外交史料調査は、予算の関係上次年度に行うことになった。

この他に、昨年度以来進めている、ロシアとオスマン帝国の間のクリム・ハーン国をめぐる問題に関しても研究を継続し、その成果は英語論文として近日出版される予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

フランスでの史料調査と収集を行えなかったものの、刊行されている外交史料を入手し参照できたため、当初の予定とほとんど変わりなく研究を進められている。また、本年度も国際学会において研究成果の一端を発表するなど、成果の発信も順調に行えている。

今後の研究の推進方策

昨年度に行えなかったフランスでの史料調査を行って西欧諸国の対黒海地域政策をまとめ、18世紀後半~19世紀初頭のオスマン帝国による黒海周辺の付庸国支配への影響を明らかにする。さらに当初の計画通り、ロシアにおいてロシア側史料の調査を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] オスマン帝国のクリミア支配とロシアの進出によるその変容―黒海地域史の観点から2017

    • 著者名/発表者名
      黛秋津
    • 雑誌名

      大学研究助成アジア歴史研究報告書2016年度

      巻: なし ページ: 55-66

  • [学会発表] The question of opening French consulates in the Danubian Principalities2017

    • 著者名/発表者名
      Akitsu Mayuzumi
    • 学会等名
      7th International Balkan Annual Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] Vassal States and the Concept of "Suzerainty" in the Ottoman Empire2017

    • 著者名/発表者名
      Akitsu Mayuzumi
    • 学会等名
      5th Global International Studies Conference
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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