江戸時代に全国で230校あった藩校では様々な教科が教習されていたが、わずか6校のみが音楽を教科として教習していた。水戸藩校弘道館・熊本藩校時習館・弘前藩校弘道館・高松藩校講道館・赤穂藩校博文館・佐倉藩校正德書院の6校である。 これらの藩校を調査したところ、3つに分類できた。第1に、他藩の見本となる存在であった藩校である。それが水戸藩校と熊本藩校であった。第2に、1の藩校の影響と徂徠学派の影響が見て取れた藩校である。それは弘前藩校と高松藩校であった。第3に、独自の形態であると考えられた藩校で、赤穂藩校と佐倉藩校であった。第2第3は開校時の責任者の方針が大きく作用すると考えられた。
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