本研究では、江戸時代の水戸藩の記録「大日本史編纂記録」全248冊の翻刻作業を進めた。「大日本史編纂記録」は、「大日本史」などの編纂に従事した史館総裁たちが交わした書状などが納められた記録である。今回の研究により、「大日本史編纂記録」のうち「書状写」の大半にあたる46冊分(186、194~204、210~237、242~247冊)の翻刻作業を進めることができたが、その公開にまでは至らなかった。 また水戸藩による史料収集活動の実態解明のために、水戸藩が17世紀末に行った「那須国造碑」の整備と、上・下侍塚古墳の発掘という事業に着目して、その文化財保護活動が地域社会に与えた影響を明らかにした。
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