全国に散在する佐渡金銀山技術書群の全体像と個々の技術書の位置付けを検討した。結果、佐渡金銀山技術書は、佐渡金銀山絵巻同様、18世紀前中期頃から19世紀中後期頃まで100年以上にわたって、その時々の経営や技術の変化を反映させ、部分的に改訂されながら制作されていることが明らかとなった。そして、絵巻だけでは理解できなかったことが、技術書を利用することで絵解きが可能となる部分が多くみられることが確認され、両者の複合利用によって佐渡金銀山の経営・技術とその変遷が、よりビジュアルかつ詳細に解明できることが明らかになった。
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