本研究では大規模な鉱山が近現代地域史の中心を担ってきた秋田県とくに北部の地域史の中に在日朝鮮人の生活史を位置づけることを試みた。地域史に関する共著書の一部に収集資料を活用することができたが、在日朝鮮人の生活史については発表に至らなかった。その理由は、当初は在日朝鮮人にたいするインタビュー調査を中心にする予定であったが、それが予想以上に困難であったことである。 ただし調査途中に文献資料が発見されたため、終戦直後の密造酒生産とその取り締まりに関する文献調査に調査方針を切り替え、収集資料を整理するともにその一部を歴史教育にかかわる地域住民を中心とした集まりにおいて発表することができた。
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