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2019 年度 研究成果報告書

江戸時代の藩領国における史蹟顕彰の基礎的研究

研究課題

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研究課題/領域番号 16K03037
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 日本史
研究機関東北大学 (2019)
千葉大学 (2016-2018)

研究代表者

引野 亨輔  東北大学, 文学研究科, 准教授 (90389065)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード藩領国 / 史蹟顕彰 / 水戸藩 / 徳川光圀
研究成果の概要

本研究は、江戸時代の藩領国における史蹟顕彰を分析したものである。一般的にいえば、寺院や神社の由緒とは,長い年月をかけて丹念に書き継がれてきたものと考えられる。だからこそ、古い時代に創建された寺社は、その由緒によって「名所旧跡」と認められるわけである。しかし、実際には、領主のてこ入れによって、寺社の由緒が短期間で書き換えられることも多い。また、江戸時代に考証主義的な風潮が高まってくると、史実に合わないという理由から、古い由緒が否定されることもある。本研究では、水戸藩を事例として、「名所旧跡」が多層的な契機から創り出される過程を検証し、それが後世の人々の歴史認識に及ぼす影響力を探った。

自由記述の分野

日本近世史

研究成果の学術的意義や社会的意義

史蹟を顕彰する人々の感覚は、単純な史実のみに基づいて形成されるわけではない。例えば、江戸時代人の「名所旧跡」に対する認識は、藩権力の恣意的なてこ入れに大きな影響を受けている可能性がある。ただし、それは、史蹟の格付けに際して藩権力が絶対的な権限を持っていたという意味ではない。江戸時代に高まりをみせた考証主義が、史蹟の価値に決定的な影響を与えることも多かった。また、物見遊山的な寺社参詣が盛んになると寺社の由緒に一気に娯楽性が加えられることもあった。本研究では、現代人の地域アイデンティティーを下支えする「名所旧跡」がいかに複層的な契機を経て確立され、社会に影響を与え続けているのかを明らかにした。

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公開日: 2021-02-19  

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