本研究では、列強諸国(イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、ロシア、日本、アメリカ)が華北に駐留させていた駐屯軍の、設置から廃止に至る歴史を、中国国内情勢の変化(辛亥革命、中国内戦)や国際情勢の変化(第一次世界大戦、満洲事変)との関係で明らかにした。また各国の駐屯軍の状況と変化についても、可能な限り明らかにした。これは中国という場における列強諸国の外交団による協調体制(北京議定書システム)が、ワシントン体制期を経て機能しなくなり、やがて崩壊していったことを、駐屯軍という要素から描いたことを意味するものである。
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