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2016 年度 実施状況報告書

近代法胎動期における私立法学系高等教育の地方普及とその教育実態の系統的解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K03060
研究機関明治大学

研究代表者

村松 玄太  明治大学, 総務部総務課, 専任職員 (80639568)

研究分担者 中川 壽之  中央大学, その他部局等, その他 (40643945)
瀬戸口 龍一  専修大学, その他部局等, 課長 (30645916)
阿部 裕樹  明治大学, 総務部総務課, 専任職員 (40625266)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード大学アーカイヴズ / 大学史 / 日本近代史 / 地方法律学校 / 法学教育
研究実績の概要

2016年度は、日本における近代法胎動期である1880~1900年代の私立法学系高等教育の地方普及とその教育の実態調査を行った。
具体的な内容は次の通りである。第1に、私立地方法律学校の実態調査を実施した。2016年8月に愛知県及び岐阜県における明治期の私立法律学校及び関係者の資料調査を実施し、2017年1月に神奈川県横浜市において、横浜法律学校を中心とする資料調査を行った。これらの調査を通して、明治20年代の地方における私立法律学校の設立に、東京所在の法律学校関係者が連携して、法律の地方普及を目指していた実態の一端を明らかにすることができた。2017年度も国内未調査地域の法律学校調査を引き続き実施する予定である。第2に、法律学校生徒の就学実態調査を実施した。2016年8月の愛知県調査では、東京で法律学校に就学していた人物の資料調査を行い、テキスト・書簡等の資料の確認を行うことができた。第3に、法律学校及び関係者の実態を知る一環として、国立国会図書館デジタルコレクションにおいて公開されている明治期の各学校名簿を利用し、法律学校生徒の機関間移動の実態調査を実施した。生徒側が、各法律学校の教育の特性を理解し、必要に応じて随時学校間を流動していた実態を把握することができるため、同調査の集計は、アルバイトの協力を得て2017年度も継続する予定である。第4に、私立法律学校の輩出した法曹の活動実態に注目し、東京弁護士会・第二東京弁護士会合同図書館において関係者の資料調査を実施した。
なお、これらの調査成果の一部を活用し、2016年10月30日開催(於たばこと塩の博物館)の「専修大学創立140周年記念事業 目賀田種太郎と近代日本 教育者・法律家・官僚として」関連シンポジウム「明治期における神田五大法律学校の意義と役割」にて報告及びパネルディスカッションを実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

法律学校及び関係者に関する実態調査はほぼ予定通り進んでいる。現段階では1880-1900年代の各大学アーカイヴズ所蔵資料の画像データベースの第一次構築を大規模に実施していない状況にあるが、これまでの検討の結果、私立地方法律学校及び地方代言人組合の実態調査を先に実施し、その調査結果により、早急にデジタル化を図る必要がある資料群が見出された場合は、各大学アーカイヴズ所蔵資料に優先して、それらのデジタル化に経費・人員等のリソースを回すこととしたためである。

今後の研究の推進方策

2016年度に実施した、1880~1900年代の私立法学系高等教育の地方普及とその教育の実態調査の成果を活用しながら、発展的に調査を継続するとともに、その一部成果発表も実施する。
具体的には、第1に、私立地方法律学校の実態調査を継続実施する予定である。現在明治10年代から30年代にかけての各道府県統計書類を分析し、統計記録上の法律学校の把握を進めている。その中でとくに多数の法律学校が見いだせるのは、東北各県である。そのためそれらの学校の実態調査を実施し、東北地方にとくに法律学校が置かれた理由を明らかにしたいと考える。第2に、法律学校生徒の就学実態調査の深化である。これについては法律学校調査をするなかで新たに関連資料を見出すことになる。第3に、法律学校生徒の機関間移動の実態調査を継続実施する。第4に、私立法律学校の輩出した法曹の活動実態を明らかにするため、各道府県の弁護士会に資料調査依頼を進めていく予定である。第5に、研究成果を内外に広く公開する。外部展示場を借用し、一般の人びとにもわかりやすく成果を活用した展示会を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

これまでの検討の結果、私立地方法律学校及び地方代言人組合の実態調査を先に実施し、その調査結果により、早急にデジタル化を図る必要がある資料群が見出された場合は、各大学アーカイヴズ所蔵資料に優先して、それらのデジタル化に経費・人員等のリソースを回すこととしたため。

次年度使用額の使用計画

2017年度において東北地方等の国内調査を実施する。調査がほぼ完了した段階で、デジタル化予定資料を確定し、デジタル化の作業を実施することとする。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 大庭裕介氏「旧刑法改正論のゆくえと司法省における旧民法編纂の経緯」:2016年度第46回明治維新史学会大会討論要旨2017

    • 著者名/発表者名
      中川壽之
    • 雑誌名

      明治維新史研究

      巻: 14 ページ: 72-73

  • [雑誌論文] 空齊山田伯伝(一)2017

    • 著者名/発表者名
      松原太郎
    • 雑誌名

      黌誌(日本大学企画広報部広報課)

      巻: 11 ページ: 39-74

  • [雑誌論文] 山田顕義生誕地の異説について2017

    • 著者名/発表者名
      松原太郎
    • 雑誌名

      日本大学大学史ニュース(日本大学企画広報部広報課)

      巻: 12 ページ: 7-9

  • [雑誌論文] 山田顕義と瓦屋旅館2016

    • 著者名/発表者名
      松原太郎
    • 雑誌名

      日本大学大学史ニュース(日本大学企画広報部広報課)

      巻: 11 ページ: 5-6

  • [学会発表] 明治期の専修大学と目賀田種太郎2016

    • 著者名/発表者名
      瀬戸口龍一
    • 学会等名
      専修大学創立140周年記念事業「目賀田種太郎と近代日本」関連シンポジウム「明治期における神田五大法律学校の意義と役割」
    • 発表場所
      たばこと塩の博物館
    • 年月日
      2016-10-30
    • 招待講演
  • [学会発表] 専修大学と法政大学―草創期を中心として2016

    • 著者名/発表者名
      古俣達郎
    • 学会等名
      専修大学創立140周年記念事業「目賀田種太郎と近代日本」関連シンポジウム「明治期における神田五大法律学校の意義と役割」
    • 発表場所
      たばこと塩の博物館
    • 年月日
      2016-10-30
    • 招待講演
  • [学会発表] 明治大学の創立と専修大学のかかわり2016

    • 著者名/発表者名
      阿部裕樹・村松玄太
    • 学会等名
      専修大学創立140周年記念事業「目賀田種太郎と近代日本」関連シンポジウム「明治期における神田五大法律学校の意義と役割」
    • 発表場所
      たばこと塩の博物館
    • 年月日
      2016-10-30
    • 招待講演
  • [学会発表] 英吉利法律学校と専修学校―二つの学校をつなぐもの―2016

    • 著者名/発表者名
      中川壽之
    • 学会等名
      専修大学創立140周年記念事業「目賀田種太郎と近代日本」関連シンポジウム「明治期における神田五大法律学校の意義と役割」
    • 発表場所
      たばこと塩の博物館
    • 年月日
      2016-10-30
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本法律学校と神田学生街について2016

    • 著者名/発表者名
      松原太郎
    • 学会等名
      専修大学創立140周年記念事業「目賀田種太郎と近代日本」関連シンポジウム「明治期における神田五大法律学校の意義と役割」
    • 発表場所
      たばこと塩の博物館
    • 年月日
      2016-10-30
    • 招待講演
  • [図書] 横浜正金銀行ニューヨーク支店に関する研究第3部資料編1資料翻刻(1)本店通信明治22(1889)年2017

    • 著者名/発表者名
      中川壽之
    • 総ページ数
      397-427
    • 出版者
      神奈川県立歴史博物館

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公開日: 2018-01-16  

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