19世紀後半から1940年代の北海道、千島、樺太(サハリン)では、様々な生物が自然環境中に移入された。 開拓使(1869~1882)は、道内各地にシカ・キジ・ドジョウ・ウナギ・アユなどの移入を試み、北海道の産物としてのキツネ利用を模索した。1910年代半ば、カナダなどの先行事例が紹介されてこれらの地域で養狐業が活発化し、また、島々へのキツネ移入がおこなわれた。千島中部では日本政府がロシアからキツネを持ち込んで放った。樺太の海馬島では民間人がキツネ移入を計画し、その死後には村が移入を実施した。経済的価値が高い個体の移入の一方、経済的価値が低い個体や、それらの繁殖を阻害する生物の駆除が見られた。
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