研究課題/領域番号 |
16K03067
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研究機関 | 北九州市立自然史・歴史博物館 |
研究代表者 |
日比野 利信 北九州市立自然史・歴史博物館, 歴史課, 学芸員 (90372234)
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研究分担者 |
中村 尚史 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (60262086)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 麻生家文書 / 麻生太吉 / 安川敬一郎 / 明治鉱業 / 九州製鋼 |
研究実績の概要 |
本共同研究の参加者全員が原則的に参加する共同研究会・会議を1度行い、研究成果の中間報告と今後の研究計画の確認を行った。2度目を予定していたが、日程を確保するに至らなかった。 また本共同研究が中心的に取り上げる企業家の安川敬一郎に関わる新出資料を見出すに至ったので、その調査を行った。明治初期の資料や所蔵(美術)品台帳など興味深いものがあり、精査を進めているところである。 合わせて、安川敬一郎とともに取り上げるべき企業家の麻生太吉に関わる、きわめて膨大な麻生家文書について、安川敬一郎と麻生太吉の関係を示す書簡資料を中心に精査を行った。 また最大の成果として、2度にわたって麻生家文書の未整理資料の概要調査を行い、447箱全ての調書(箱単位)の作成を終了したことが挙げられる。これらは麻生太吉の子の麻生多賀吉に関わる資料がほとんどで、経営関係資料と議会関係資料が大半を占めている。麻生太吉関係資料は多くはないが、今回の調査により、膨大な数量と豊富な内容を誇る麻生家文書の全体像を明らかにするための基礎作業を完了することができたことになる。 麻生家文書を保管する九州大学記録資料館は大学の移転に伴ってしばらく閉鎖されるため、資料調査もできなくなる。そこで個別的な精査は次なる課題とし、まずは全体像の整理・提示に努め、本共同研究の全体としての成果として共有する。そのための調査研究報告書の作成が最終年度最大の課題である。またミニシンポジウムなどを開催して広く成果を明示する機会を設けたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の日比野が博物館学芸員としての多大な業務に追われていて、本共同研究を主導・推進していくために十分な時間を確保するのが難しかった。 特に全参加者が原則的に集まる共同研究会・会議を1度しか開けなかったことが遺憾である。
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今後の研究の推進方策 |
2年間の資料調査の成果を整理して、報告書に収録するための準備と作業を行う。そのために調査員(アルバイト)を雇用して、入力作業を早急に進めたい。 また夏休み前に共同研究会・会議を開き、資料調査の成果と参加者各自の研究の進捗状況を確認・共有する。
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次年度使用額が生じた理由 |
【理由】 全参加者が原則的に参加する共同研究会・会議について、当該年度には2回実施を予定していたが、1回しか実施できなかった。また最大の調査対象である麻生家文書については、保管者である九州大学記録資料館の移転に伴う閉鎖の前に、何より未整理分の概要調査を終了させることを優先したため、調査員(アルバイト)を雇用しての入力作業(データベース作成)を行うに到らなかった。そのため旅費の支出が少なく、謝金の支出がなかったことが「次年度使用額」が多く発生した理由である。 【使用計画】 特に麻生家文書に関わる諸データの入力作業を早急に実施することにより、「次年度使用額」を含めて助成金を過不足なく使用して、本共同研究の推進を図る。
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