イラン近現代史は大きく言って、ナショナリズム、イスラーム、社会主義の3つの思想潮流の対抗と交錯によって彩られてきた。本研究はそのうち社会主義の流れに着目し、ガージャール朝末期の「ギーラーン共和国」の興亡を主に考察対象とした。この「共和国」におけるナショナリストと急進的な社会主義実践を唱えるグループとの対立を、研究発表で解明し、ナショナリズムの原点ともいえる西欧との遭遇経験を編著に掲載、また最終年度には、「第一次世界大戦と地方政権の興亡」を題する1章を、イラン史概説に寄稿し近々刊行される予定である。
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